欧州=ライン川の水位低下が海上物流にも影響、LSMGO価格も上昇
記録的な猛暑に見舞われている欧州でライン川の水位が低下し、これが間接的に海上物流の停滞を招いている。滞船を余儀なくされている船舶がオランダのロッテルダムでLSMGOの調達を増し、価格上昇も招いている。
ライン川はドイツ内陸部に物資を輸送する船舶の大動脈。しかし、今夏は水不足が深刻で、コンテナ船、バルカー船、クルーズ船など大型船の運航が規制されているようだ。これを受け、多くの船舶がライン川河口で待機しており、LSMGOの調達を増やしているという。
欧州ではLNGバンカリングが不足しており、LNG炊きの船舶が石油由来のバンカー油の調達を増やしていることもあり、ロッテルダム渡しのLSMGO価格はシンガポールを約30ドル上回っているという。欧州での高値での調達を避け、多くの船会社が米東海岸、地中海沿岸、シンガポールなどでのバンカー調達の機会を模索しているもよう。このためいずれの地域でもLSMGO相場が上昇傾向にあるという。
市場関係者によると、異常気象に伴うバンカー油の需給逼迫は異例という。ただ、ロッテルダム港やドイツのハンブルク港では艀の遅れなどは聞かれていない。
山岡 03-3552-2411Copyright © RIM Intelligence Co. ALL RIGHTS RESERVED.