バイオバンカー市況=原油安から反落、欧州で廃食油需要が増加 2日
バイオ混合率最大25%のVLSFO価格の気配値はロッテルダム渡しで1,040.00~1,115.00ドル、シンガポール渡しで1,090.00~1,165.00ドルといずれも先週から反落した。このところの原油安が要因という。ただし、欧州ではバイオバンカーの需要が高まっており、買い気の強さからロッテルダム渡しの下げ幅は限定的となった。
ロッテルダム港湾公社はこのほど、2022年の同港での燃料油販売量が1,087万8,793トンと前年から10,920トン (0.1%)増加した。このうちバイオVLSFOは63万4,909トンと、VLSFOの販売数量の約16%を占めた。同港では、右肩上がりにバイオバンカー需要が伸びている。一方、アジアでは燃料価格が高騰するものの、価格転嫁が困難という。また、脱炭素燃料に対する補助金制度が不十分なほか、上場企業に対するGHG削減の道筋が示されておらず、アジアの買い手はバイオバンカーの調達にやや消極的になっているようだ。
欧州では持続可能な航空燃料(SAF)を筆頭にバイオ燃料の需要が高まり、原料となる廃食油の不足が続いている。廃食油を調達する業者の買付けが、活発になっているという。市場関係者によると、70%の廃食油がSAFに、20%がトラック用のディーゼルに、残り10%が発電用や船舶油用に卸されると想定されている。バイオバンカーについても、原料不足が安定供給の妨げとなり、買い気を削ぐ要因の1つになっているようだ。
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