バイオバンカー市況=シンガポール米LA/LBとグリーン・デジタル回廊確立へ 26日
バイオ混合率最大30%のVLSFO価格の気配値は、ロッテルダム渡しで682.00~762.00ドル、シンガポール渡しで724.00~804.00ドルといずれも前週から小幅に続落した。基材となる大豆やヒマワリ油といった可食油価格、パーム油価格が下落し、使用済み食用油(UCO)を原料とするFAME(脂肪酸メチルエステル《UCOME》を含む)も連動して弱含んでいる。さらに、このところの原油安も弱材料となった。26日時点の硫黄分0.5%以下のVLSFO価格はロッテルダムで552.00~555.00ドル、シンガポールで588.00~591.00ドル。一方、6月以降、世界各国の船会社が内燃機関のチェック目的にバイオバンカーの長期使用を実施する予定で、これに向けた調達の動きがあるようだ。需要が伸びるとの見通しがあり、相場の下げ幅は限定的だったとの指摘も聞かれた。 シンガポール港、米ロサンゼルス港、米ロングビーチ港、C40(世界都市気候先導グループ)は4月24日、シンガポールと、ロサンゼルス港やロングビーチ港を含むサンペドロ湾港湾複合体を結ぶグリーン・デジタル輸送回廊(GDSC)を構築する覚書(MoU)を結んだと発表した。これらの港に寄港する船舶に対し、低炭素および脱炭素燃料の供給と使用を促進し、燃料供給に必要なインフラ整備や規制作りも強化する。また、海運業界のデジタル化を進め、グリーンポート(GHGを排出しない港)を目指す。 海上貿易の中心となる重要な航路で低・脱炭素燃料供給を統一のルール下で実施、より透明性の高い供給体制を確立する。国際海事機関(IMO)が今年7月に開催する第80回海洋環境保護委員会(MEPC80)でGHG削減目標が強化されるのを前に、海運業界全体で脱炭素化の動きが加速している。GDSCは国際的な港湾間の長距離航路に加え、地域間の短距離航路を含めて21回廊がすでに構築されている。C40はGDSCを推進する団体で、気候変動対策に取り組む大都市で構成している。
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