バイオバンカー市況=中国出しバイオディーゼル価格の下落を受け続落 10日
バイオ混合率最大30%のVLSFO価格の気配値は、ロッテルダム渡しで644.00~724.00ドル、シンガポール渡しで666.00~746.00ドルといずれも4月26日から続落している。中国出しのバイオディーゼル油価格の下落が要因という。市場関係者によると、中国の四川省などでは世界的に高まる廃食油需要を見据え回収業者が増加し供給が増加傾向にあるようだ。価格競争力の激化から、廃食油由来のバイオディーゼル価格が軟化したようだ。また、このところの原油価格の下落も映しバイオバンカー価格がロッテルダムとシンガポール港で下落した。10日時点の硫黄分0.5%以下のVLSFO価格はロッテルダムで529.00~532.00ドル、シンガポールで565.00~568.00ドル。 さらに、バイオバンカーに対する売り圧力の高まりも相場の弱材料という。市場関係者によると、ロッテルダム港ではB30用の艀を準備し、バイオバンカーの供給を進める動きが加速。供給業者はコスト回収を目的に販促を仕掛けているようだ。 ロッテルダム港湾公社によると、2023年1~3月期の同港でのバンカー油販売量が、LNGバンカーを除くと278万1,944トンと前年同期から11万5,045トン(0.04%)増加した。このうちバイオVLSFOは12万982トンと、前年同期比で1万1,069トン減少した。LNGバンカーは前年同期比2万5,716立方メートル減の8万6,088立方メートルだった。いずれも既存バンカーと比べ割高なため、買い気が後退しているという。
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