バイオバンカー市況=アジアと欧州で需要差、LPGバンカーガイドラインの進展へ 14日
バイオ混合率最大30%のVLSFO価格の気配値は、ロッテルダム渡しで666.00~736.00ドルと小幅に下落した一方、シンガポール渡しで721.00~791.00ドルと先週から小幅に上昇した。欧州では輸入廃食油のGHG削減割合に対する不透明感から、需要がわずかに落ちている。一方、シンガポールではマレーシア出しの廃食油供給が旺盛なものの、バイオバンカー価格に割安感が強いことから買いが入っているようだ。VLSFO価格の上昇も加わり、シンガポールのバイオバンカー価格は先週から上昇した。バンカーオイルレポートによると、14日時点の硫黄分0.5%以下のVLSFO価格はロッテルダムで537.00~540.00ドル、シンガポールで583.00~586.00ドル。
国際海事機関(IMO)の第107回海上安全委員会(MSC107)がロンドンで5月31日~6月9日に開催された。MSCは海上の安全に直接影響のある事項の検討を行っており、MSC107では自動運航船(MASS)の国際ルール策定に向けた検討等が議題として挙げられた。また、MSC107の小委員会である、貨物運送小委員会(CCC)では、LPGを燃料とする船舶の安全ガイドライン案が承認された。LNG以外で実用化が進んでいる、ガス燃料のLPGをはじめ、メタノール、アンモニア、エタノールは従来の燃料油に比べ引火点が低く、船内の漏洩時に火災に見舞われる可能性がある。このような低引火点の燃料といった性質を考慮し、乗組員の安全環境に対するリスクの最小限化が高まっており、低引火点燃料を使用する船舶の国際安全規定(IGFコード)と同燃料油の関連技術のガイドライン開発が急務となっている。
市場関係者によると、LPGは常温加圧で液化するといった性質上、アンモニアと類似する性質を持つ。この結果、アンモニアバンカーへの発展がさらに進む可能性があるようだ。
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