バイオバンカー市況=バイオ混合比率でまちまち、バイオディーゼル市況は底堅い 19日
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バイオ混合率最大30%のVLSFO価格の気配値は、ロッテルダム渡しで683.00~748.00ドルと先週から小幅に上昇した一方、バイオ混合率最大24%のVLSFO価格の気配値はシンガポール渡しで705.00~765.00ドルと先週から下落した。バイオ混合比率によって上げ下げまちまちだった。 一方、バイオディーゼル市況は底堅い。米国が廃食油を中国から大量に輸入し、国際市況が上昇していることに加え、黒海を経由するウクライナ産穀物の輸出に関する合意からロシアが離脱すると表明したことで、可食油の一段の高騰が懸念されている。市場関係者によると、バイオ燃料の原料として、インドネシアやマレーシアからのパーム油およびバイオディーゼルに頼らざるを得ないという。一方、ブラジルのトウモロコシや大豆の多くは中国に流れており、中国による可食油や廃食油の供給が増加するとの期待が聞かれた。 中国では、バイオディーゼルの基材としてトウモロコシや大豆を輸入する動きが強まっている。バイオバンカーなどの最終成果品を輸入して国内で販売するより、南米やマレーシア、インドネシアから調達した穀物やパーム油から可食油を精製・使用し、廃食油として輸出したほうが利益は高いとの見方がある。この結果、バイオバンカーより、LNG、メタノール、アンモニアなどを船舶燃料とする技術開発が進んでいるようだ。 一方、近隣のバンカー港では、バイオバンカー供給体制の整備が加速している。香港では、大手エネルギー会社チンバスコ・パンネーション・ペトロケミカル社がISCC-EU 国際持続可能性カーボン認証(ISCC)-EUを取得した。香港の海運セクターでは珍しい、欧州再生可能エネルギー指令(RED)に基づく認証となる。また、Banle Energy社は、香港で艀によるバイオディーゼルの運搬を実施。同社は艀内でブレンドし、B24の供給も進めている。市場では、複数の売り手による積極的なバイオバンカー市場への参入期待が高まっている。香港は華南最大のコンテナ港である塩田港に近く、大型コンテナ船によるバイオバンカー需要を呼び込む可能性がありそうだ。 リムバンカーオイルレポートによると、19日時点の硫黄分0.5%以下のVLSFO価格はロッテルダムで537.00~540.00ドル、シンガポールで563.00~566.00ドル。
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