積水化学とVelocys=二酸化炭素が原料のe-SAF生産に向けて連携
積水化学工業と米国Velocysは21日、二酸化炭素(CO2)を原料とした合成燃料(e-SAF:electro-Sustainable Aviation Fuel)の製造技術構築に向けた戦略的提携のため、基本合意書を締結したと発表した。
積水化学はCO2を90%以上の高い反応収率で一酸化炭素(CO)に変換する独自のケミカルルーピング技術の開発を進めてきた。一方、Velocysは、都市ごみや産業廃棄物、バイオマス、あるいはCO2から変換される合成ガス(COと水素の混合ガス)を原料として、合成燃料を製造するFT(Fischer-Tropsch)反応技術の開発を20年以上にわたり推進してきた。Velocys独自の触媒とマイクロチャネル反応器の設計により、従来のFT反応技術に比べて6~10倍の高い生産性を実現している。今回の締結により、両社の技術を組み合わせる連携が実現すれば、CO2を資源とする航空機向け合成燃料の製造が可能となる。
航空産業は、世界のCO2排出量のうち約2.6%を占めており、その対策として持続可能な航空燃料(SAF)への注目が集まる。現在主流のSAFは、廃油やバイオマス由来の原料から製造されているが、今後の需要拡大を見据え、CO2と再生可能エネルギー由来の水素から製造されるe-SAFへの早期の取り組みと普及が期待されている。
(積水化学工業とVelocys連携によるe-SAF生産イメージ)
図の出所: 積水化学工業 発表資料
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