J-ENG=アンモニア燃料の船舶用フルスケールエンジン完成
ジャパンエンジンコーポレーション(以下J-ENG)は2日、フルスケールエンジンの商用機として世界初となる、アンモニア燃料エンジン初号機「7UEC50LSJA-HPSCR」が完成したと発表した。
今回完成したエンジンは、2023年5月から、大型低速2ストロークエンジンの世界初となるアンモニア混焼運転試験を試験用エンジンで積み重ね、アンモニアを安全に扱うための知見、技術もフィードバックされた商用機となる。
J-ENGが公表した試運転のデータによれば、出力100%負荷、アンモニア混焼率95%において、亜酸化窒素(N2O)排出量は3ppm程度となり、温室効果ガス(GHG)排出量の90%以上の削減を実現。窒素酸化物(NOx)排出量は重油エンジンの約半分程度、未燃アンモニア排出量はほぼゼロで、アンモニア燃料運転モードでは重油運転モードと同等以上の熱効率を達成した。
「7UEC50LSJA-HPSCR」は、2025年10月にジャパンマリンユナイテッド有明事業所に向けて出荷され、同事業所で建造中のアンモニア燃料アンモニア輸送船(AFMGC;Ammonia-Fueled Medium Gas Carrier)に搭載。同船は2026年11月に就航予定だ。
J-ENGでは、今回の初号機(シリンダ直径50cm)に引き続き、シリンダ直径60cmのアンモニア燃料エンジン開発も進行中。さらに、GX経済移行債を活用した環境省・国土交通省連携の補助事業による支援を得て、アンモニア燃料エンジンの新工場建設に着手しており、2028年度に稼働予定となっている。
左写真:アンモニア燃料エンジン初号機「7UEC50LSJA-HPSCR 右写真:アンモニア燃料供給装置
写真の出所:ジャパンエンジンコーポレーション 発表資料
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