王子ホールディングス(HD)は4日、オーストリアで溶解パルプ(以下DP：Dissolving Pulp)およびバイオエタノール製造販売を展開する、AustroCel Hallein GmbH(以下AustroCel)の全株式を取得する株式譲渡契約を、投資ファンドTowerBrook Capital Partnersとの間で締結したことを発表した。

　AustroCelは、様々なバイオ化学品に使用される特殊なDPの製造や販売を行い、その製造過程で生じる副産物も活用して、バイオエタノール、バイオガスなどのバイオ燃料も製造する、欧州有数の先進的なバイオリファイナリー企業。欧州では、欧州規制の施行(RED規制：Renewable Energy Directive)により、非可食材が原料となる次世代再生エネルギーの需要が見込まれているが、同社は2021年より、そうしたバイオ燃料の商業販売を続けてきたパイオニア企業となる。

　王子HDは今回の買収を通じて、5月に発表した｢中期経営計画2027｣における、木質バイオマスビジネスを加速させる狙いだ。