出光=日本道路と共同で、CO2をアスファルト舗装に固定化実証
出光興産と日本道路は11日、排ガス中の二酸化炭素(CO2)を固定化した合成炭酸カルシウム「カルカーボ」をアスファルト舗装材に配合する実証施行を国内の一般道で行ったと発表した。一般道における施工は国内初の試みとなる。
「カルカーボ」は、ボイラーの排ガスに含まれるCO2と、電柱や基礎杭などのコンクリート製品の製造時に生じる、コンクリートスラッジ中のカルシウムを原料とするカーボンサイクル技術によって作られている。
今回の実証では、茨城県鹿嶋市の市道0201号線で、全体約400平方メートルのうち約200平方メートルを「カルカーボ」配合アスファルトで舗装。フィラー部分(通常、粉砕石灰石を使う部分)をこの素材に置き換え、約1トンのカルカーボにより、およそ200kgのCO2を固定化した。
出光はこれまで、2024年3月に千葉事業所、2025年7月に北海道製油所での試験舗装を実施済み。今回初めて一般道路での実用規模での施工に漕ぎつけた。またこの施工は、出光が鹿嶋市と結んでいる、AIを使った道路損傷検知などによる維持管理サービスの枠組みにおいて、「補修」領域への展開としても初の事例となった。
「カルカーボ」の製造過程
図版の出所:出光興産 発表資料
|
エネルギーデスク 松本 03-3552-2411Copyright © RIM Intelligence Co. ALL RIGHTS RESERVED.