ヤマト運輸は18日、法人顧客向けに｢温室効果ガス排出量提供サービス｣を本格展開すると発表した。

　会員制サービス｢ヤマトビジネスメンバーズ(YBM)｣登録企業を対象に、宅急便などの輸配送工程で発生する温室効果ガス(GHG)排出量を算定し、レポートとして提供する。国際規格｢ISO14083:2023｣に準拠しており、燃料使用量や燃費・輸送距離から排出量を｢燃料法｣｢燃費法｣によって算定。第三者機関の妥当性評価も取得した。申込後、最短2営業日で結果を提供できる仕組みだ。

　対象となる荷物は、離島を除く国内発払いの｢宅急便｣｢宅急便コンパクト｣｢EAZY｣。YBMに登録し、法人契約を結んでいる企業が利用できる。毎月の発送データから集計を行い、PDFまたはCSV形式でダウンロードできるレポートとして提供される。

　今回のサービス提供の背景には、気候変動対応の加速やサプライチェーンにおけるスコープ3のGHG排出量開示の重要性がある。2023年には｢ISO 14083:2023｣が発行され、また2025年3月には｢サステナビリティ開示基準(SSBJ基準)｣が公表されるなど、東証プライム上場企業を中心に開示義務化が段階的に進む。同社は本サービスを通じて、顧客企業のサステナビリティ情報開示の効率化を支援していく方針だ。