ENEOS Xplora=住友商事・英新興とCO2鉱物化で提携、中東で実証へ
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ENEOS Xploraは22日、住友商事および同社が資本業務提携する英スタートアップの44.01と、二酸化炭素(CO2)の鉱物化に関する実証や事業化に向け、12月4日に協力覚書を締結したと発表した。
CO2鉱物化は、液体化したCO2を地下の岩石に反応させ、安定した鉱物として地下に固定・貯留する技術。長期的かつ安全にCO2を地中に留められるとして、新たなCCS(CO2回収・貯留)技術の一つとして注目される。一般的なCCSでは圧入先に砂岩を用いるが、CO2鉱物化では火成岩層に圧入する。国内には火成岩が広く分布しており、貯留先の選択肢が広がり、貯留可能量の増加が期待される。
44.01は2020年にイギリスで設立された企業で、2022年に住友商事と業務提携を結んでいる。火成岩の一種で、中東や日本国内でも多く存在する「かんらん岩」を用いた鉱物化において、CO2の圧入技術に強みがある。オマーンやアラブ首長国連邦で実証事業を進めており、ENEOS XploraがCCS/CCUS事業などで培ってきた知見と合わせ、中東地域での実証試験実施を2030年までに行う予定だ。
ENEOS Xploraはこれまで、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)とCO2鉱物化の共同研究を進め、室内実験やシミュレーションで鉱物化の割合や速度の定量評価を進めてきた。2024年には米ワイオミング大学およびカーボンフロンティア機構(JCOAL)と覚書を結び、海外の先進的なCO2鉱物化に関する研究機関と連携を強化。11月27日には九州電力とJCOALとも国内実証に向けた覚書を締結するなど、CO2鉱物化の社会実装に向けた取り組みを加速している。
CO2鉱物化のかんらん岩への圧入イメージ
図版の出所 44.01 Webサイト
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