アジア石油製品=10月28日~11月1日:北東アジア積み0.001%S軽油は下落、期先安で
ガソリン 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は弱含んだ。弱材料が出揃っている。シンガポールの先物取引で、11月と12月限の期先安は1.50ドルで推移している。このため、11月下旬積みの相場に下押し圧力が強まっている。また、アジア市場ではガソリンの需給も緩んでいる。中国から11月積みの輸出が増えている一方で、インドネシアなどの需要が振るわない。中国石油1社は30日、11月末華南積みの92RONガソリンMR船型をスポット販売した。価格はFOBベースでシンガポール市況(92RON)に対し20セント前後のプレミアムと伝えられた。
ナフサ このところ中東-日本間やシンガポール-日本間のフレートは高騰以前の水準に戻りつつある。また、米国による制裁で船数が減少していた中国のコスコシッピングのタンカーもマレーシアなど一部地域で航行が回復し始めている。これらにより、欧米からアジア向けアービトラージ品の数量も今後増加に拍車が掛かるとみられ、アジアでの供給は増えそうだ。
中間留分 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は前日から軒並み下落した。取引の中心が11月後半積みに移行している中、先物市況の期先安が相場を下押した。シンガポールの先物取引で、11月と12月の期先安が90セント弱で推移している。また、このところシンガポール市場でも0.001%S軽油市況が続落している。北東アジアでは、中国や日本から0.001%S軽油の売りが出ているようだが、成約の情報は寄せられていない。ただ、日本積みの商談水準はFOBベースでシンガポール市況(0.001%S)に対し10セント前後のディスカウントで聞かれる。
重油 韓国積み3.5%S重油(380cst)の市況連動相場は上昇。供給引き締まりを受けた。韓国石油会社によると、来年の国際海事機関(IMO)による船舶燃料の硫黄分規制に向けて、同国では高硫黄重油の供給を取りやめている製油所もあるようだ。そのため、高硫黄重油の供給には引き締まり感が増している。また、このところシンガポール市場で、高硫黄重油のプレミアムが拡大していることも強材料となった。
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