アジア石油製品=11月11~15日:韓国積み3.5%S重油は下落、需給緩和感の台頭で
ガソリン 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は急騰した。中東やインド向けの需要増に伴い、北東アジアでは品薄感が強まっている。台湾フォルモサ石油化学(FPCC)は8日、入札を通して12月22~26日積みの93RONガソリン(0.005%S)MR船型2カーゴを販売した。価格はFOBベースでシンガポール市況(92RON)に対し2.00ドル超えのプレミアムと伝えられた。また、中国石油1社は7日、12月10~11日華南積みの92RONガソリンMR船型をスポット販売した。価格はFOBベースで同市況対比1.00ドル強のプレミアムとの情報が寄せられた。
ナフサ オープンスペック・ナフサの日本着相場について、アジア市場関係者は「日本市況に対し10ドル台後半のプレミアムに軟化している」とみている。一方、先行きの市況については、強弱材料が相半ばしている。中東の製油所が定修明けとなるため、供給が増加するとみられる一方、中国では新増設のナフサクラッカーが立ち上がり、需要が見込まれるという。
中間留分 北東アジア積み0.05%S軽油(MR船型)の市況連動相場は弱含んだ。需要不振が相場を下押した。年末に近付いていることから、トレーダー筋がカーゴの調達を抑えている。また、ベトナム向けに12月積みの買いが限られるとの声も聞かれる。その中、韓国石油1社が12月積みの0.05%S軽油MR船型をスポット販売した。価格はFOBベースでシンガポール市況(0.001%S)に対し1.40ドルのディスカウントと伝えられた。また、他の韓国石油1社は14日、12月末積みとして0.05%Sまたは0.001%S軽油MR船型の販売入札を締め切った。
重油 韓国積み3.5%S重油(380cst)の市況連動相場は下落。需給緩和感の台頭を受けた。シンガポール市場で重油のクラックマージンがマイナス20ドル台まで落ち込んでいるものの、韓国石油各社はいまのところ製油所をフル稼働に保っている。このため、一部の製油所からは一定水準の高硫黄重油の供給が続いている。一方、国際海事機関(IMO)による船舶燃料油の硫黄分規制強化が迫り、高硫黄品を買い付ける動きは乏しい。シンガポール市場で、重油の市況連動相場が下落基調に推移していることも弱材料となっている。
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