石油化学=11月11~15日:エチレン上伸、中国勢の買い気を受け
【アロマティクス】
韓国積みのベンゼン相場はおおよそ前週と同水準で推移した。原料コスト見合いの相場推移となっているが、これに加え中国の華東部で在庫水準が低下しており、韓国品の中国向け需要が下支えの要因となっている。パラキシレン相場は底堅く推移した。原料コストに対する格差が縮小しており、割安感から買いが入りやすい地合いとなった。
【オレフィン】
北東アジア向けのエチレン相場は堅調に推移した。11月中旬に入り、需要家は12月の必要量を手当てしようと買い気をみせている。一方で、原料コストのナフサに対する割安感が強かったことから、多くの石化メーカーは販売を手控えていた。このなか、売り物が限られ需給に引き締まり感が意識される展開となった。週半ばには中国着で810ドルの成約がうわさとして聞かれたが、依然として割安感があると市場関係者は指摘した。FOBベースでは、台湾のフォルモサ石油化学(FPCC)が11月後半~12月前半積みのカーゴを対象に販売入札を開示した。誘導品の定修で販売余力が生じたとみられる。同入札はFOBベース772ドルで落札されたと伝えられた。
アジアのプロピレン市場は、いずれの相場も弱含んだ。
アジアのプロピレン市場では、中国需要家から買い気が後退しているなか、相場の基調が弱まった。国内の供給に潤沢感があるなか、中国需要家は国内品の買付けを優先しており、輸入品に対する買い気が強くない。一方でメーカー筋が年末を前に在庫処理に急ぐ向きがある。
韓国積みでは、メーカー1社が入札を通し12月積みをスポット販売した。
アジアのブタジエン相場は、いずれも下落した。
アジアのブタジエン市場では、需給緩和感が強く、相場が押し下げられた。アジアのブタジエン設備の定修がピークを越えているほか、域外品の売り物が多いなか、ブタジエン供給に潤沢感がある。また、日本品の供給に余剰が生じ、スポット市場で販売している。
東南アジア市場では、新規設備からブタジエンの供給が開始された。しかし、オフスペック品と聞かれる。