アジア石油製品=12月2~6日:ナフサクラックは拡大、製油所定修で
ガソリン 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は変わらず。北東アジアの石油会社が1月積みのスポット販売を進めている。中国石油1社は4日、1月上旬大連積みの91RONガソリンMR船型をスポット販売した。価格はFOBベースでシンガポール市況(92RON)に対し50セントのディスカウントと伝えられた。台湾中油(CPC)は1月積みとして92RONガソリン3万トン型の販売入札を実施した。1月韓国積みについては、いまのところ売りは聞かれていない。
ナフサ このところのブレント原油に対するナフサのクラックスプレッドの拡大について、アジアのトレーダー筋によると、「中東でカタール国営石油会社(QP)のラスラファン製油所やサウジアラムコのジュベイル製油所の定修明けが11月末の予定から12月中旬まで遅延していることで、供給引き締まり感が続くことが強材料視された」と伝えている。また、1月のアジア向けアービトラージ品の数量が限られるとの見通しも要因とみられている。さらに、欧州や中東では1月に製油所の定修が予定されているほか、米国では製油所のトラブルが相次いでいるため、アジア向け供給余力がないことが挙げられそうだ。
中間留分 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場はもち合った。1月積みカーゴの商談が始まっているものの、市場では新たな成約情報は聞かれなかった。市場関係者によると、一部のトレーダーは豪州向けとして北東アジア1月積みの0.001%S軽油の買付けを検討しているもよう。ただ、「市場にはインドや中東品も供給されており、北東アジア品の取引価格が大きく上昇する状況ではない」(トレーダー)との声も聞かれた。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は上昇。新たな韓国積み0.5%S重油の成約は聞かれないものの、供給引き締まりから相場の基調は強まっている。一方、シンガポール市場では、連日に渡って0.5%S重油が複数取引された。価格は、軒並みFOBベースで0.5%S重油市況(12月平均)に対し2ドル程度のプレミアム。この価格をシンガポール市況(180cst)対比に換算すると、「シンガポールおよび韓国積み0.5%S重油相場は270.00ドル以上のプレミアム」と市場関係者はいう。
|
|