アジア石油製品=1月6~10日:アジアのナフサクラッカーは減産体制
ガソリン 韓国積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は軟化した。東南アジアの需要が振るわない中、フレートも高留まっている。このところ、インドネシアからスポットの需要が低迷している。また、ベトナムやフィリピン向けにも2月積みの買いが見られないようだ。一方、シンガポール向けとして、2月韓国積み92RONガソリンMR船型についてFOBベースでシンガポール市況(92RON)に対し1.00ドルのディスカウントで買唱えが寄せられている。需要が乏しいため、韓国の一部石油会社は同水準の近くで販売を検討せざるを得ないとみている。
ナフサ アジアでは、ナフサ高を背景とする石化マージンの悪化を受け、石化メーカーが軒並みナフサクラッカーの稼働率を引き下げている。韓国のLG化学および大韓油化工業(KPIC)、マレーシアのロッテ・ケミカル・タイタン、シンガポール石油化学(PCS)などが、稼働率を90~95%程度に引き下げているもよう。日本の石化メーカーも3社以上が稼働を切り下げていると伝えられる。また、エチレンのナフサに対するマージンが100ドル台と低迷している。中国でクラッカーが増設され、今後、エチレン供給が増加するとの見通しもあり、当面はクラッカーの減産体制が続くとみられる。
中間留分 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は、このところのフレート高を受けて弱含んだ。北東アジア品の主要な持ち込み先である豪州向けは、フレートがかさむことから、調達に慎重になるトレーダーもいるようだ。替わりにフィリピン向けなどとして買い付ける動きもあるという。日本の元売りが、1月末積み玉を、FOBベースで同市況に対し1.00ドル程度のディスカウントで売り唱えているとの情報も浮上した。期近積みのため、割安な価格での唱えになっているようだ。一方、中国石油1社が、2月積み軽油の販売に動いている。0.001%Sまたは0.005%Sのいずれでの販売も可能という。
重油 韓国積み0.3%S重油(MR船型)の市況連動相場は弱含み。アジア域内では、0.3%S重油取引の指標となる高硫黄重油(180cst)相場が上昇しており、結果として0.3%S重油のプレミアムが縮小した格好だ。一方、0.5%S重油市況は、バンカー需要が堅調に推移しているため、足元の水準を保っている。このため、韓国石油会社は、「韓国積み0.3%S重油の成約可能な水準は、0.5%S重油と同水準のプレミアムとなっている」との見方を寄せた。
|
|