アジア石油製品=1月27~31日:0.5%S重油は下落、需給緩和観測で
ガソリン 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場はもち合い。2月積みの商談は終盤を迎え、新たな取引は聞かれにくい。内需減を背景に、中国の石油会社が2月積みの追加販売に動く可能性がある程度。既報のとおり、中国では新型コロナウイルスによる肺炎の影響で、移動制限の措置が取られるなど、ガソリンの需要が減少する見通し。一方、3月積みのスポット取引は時期尚早である。
ナフサ アジアでは、ナフサクラッカーの減産効果によって、ナフサに対するエチレンのクラックマージンが300ドル台に回復している。これを受けて、一部の石化メーカーはクラッカーの稼働率を引き上げているもよう。一方、今後のアジアのナフサ市況については、「アジアでクラッカー定修入りが相次ぐことで需要が後退する一方、中東製油所の定修明けによる供給回復で、アジア着ベース3月以降には市況が軟化していくだろう」と、アジアのトレーダー筋は見方を示した。
中間留分 北東アジア積み0.05%S軽油(MR船型)の市況連動相場は横ばい。2月積みカーゴの商談は終盤に差し掛かっているものの、新たな売買唱えは聞かれなかった。ここにきて中国で感染が拡大している新型コロナウイルスによる肺炎が、0.05%S軽油の市況にも影響を及ぼしかねないとの見方が出ている。これまでVLSFOの基材用や、中国沿岸部の漁船向けなどとして、トレーダーが北東アジア品を物色していたものの、「こうした動きが後退しそうだ」(市場関係者)という。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は下落。需給緩和観測を受けた。中国政府は、同国に寄港する船舶にバンカー油を供給する業者に対し、13%の増値税を償還する政策を発表。中国サプライヤーの仕入れ値が低減することから、シンガポール向けを中心に0.5%S重油の輸出が増えると見込まれている。これを受け、0.5%S重油のシンガポール市況が軟化。シンガポールの相場下落に連動し、韓国積み0.5%S重油の成約可能水準もつれ安となった。また、韓国の石油各社は、他の石油製品のクラックマージン悪化から、残油流動接触分解(RFCC)装置の稼働を下げ、代わりにVLSFOの増産へと踏み切っているもよう。製油所全体の稼働率はやや下落傾向にあるようだ。
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