アジア石油製品=4月6~10日:アジア/NWEのナフサ・スプレッドが一時NWE高に
ガソリン 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場はもち合った。北東アジアの石油会社が5月積みの販売を徐々に始めている。中国石油1社は9日、5月10~11日華南積みの92RONガソリンMR船型の販売入札を締め切ったものの、落札の結果は判明していない。韓国の石油会社も5月積みの販売に着手し始めているが、具体的な取引は聞かれていない。一方、東南アジアからは依然として買いが見られず、需要は弱いまま。新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、東南アジア諸国でもガソリンの需要が減少している。
ナフサ アジア市場関係者によると、「アジアでは製油所の一段の減産が必要な一方、ナフサクラッカーの稼働を上げられるほど需要は強くない」という。また、このところのナフサ安により、石化製品の基材として液化石油ガス(LPG)からナフサにシフトする動きがみられものの、「ナフサ需要を大きく押し上げるほどの強さもない」(北東アジアの石化メーカー)という。アジアのオープンスペック・ナフサ相場が北西ヨーロッパ(NWE)のナフサ・スワップ相場を下回る現象が発生している。これについてアジア市場関係者は、「欧州の市況悪化によってアジア向け余剰玉が急増し、アジア市況がより下押しされる状況」と話す。
中間留分 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は需要不振を受けて下落した。アジア域内の需要減に加え、欧州など域外向けとして調達するトレーダーもほぼ見当たらない状況。市場関係者によると、一部の韓国石油会社は5月積みスポット玉を抱えているものの、安値での販売を嫌い、積極的に売り込んではいないようだ。台湾のフォルモサ石油化学(FPCC)は、入札を通じて5月積み0.001%S軽油75万バレル2カーゴを販売。価格はFOBベースでシンガポール市況に対し2.25ドルおよび2.15ドルのディスカウントと伝えられた。買い手はシノケム、グレンコア。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は反発。割安感から取引可能水が切り上がった。韓国では、既報のS-オイルによる成約以後、取引はみられないものの、韓国石油会社によると、「韓国積み0.5%S重油の市況連動相場は、シンガポール市況(180cst)に対し40.00ドル前後のプレミアムに上昇している」という。また、中国では0.5%S重油の買唱えが中国着ベースでシンガポール市況(0.001%軽油)に対し70ドルのディスカウントで聞かれたものの、成約には至らなかったもよう。
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