アジア石油製品=4月12~16日:ナフサは軟調、定修入りで需要減退の観測
ガソリン 北東アジアのガソリン(MR船型)は横ばい。インドネシアから久々にスポットの買いが見られている。これについて、バロンガン製油所(日量12万5,000バレル)の火災事故を背景に、スポットの買いに乗り出しているとの見方が市場関係者から聞かれる。同製油所は3月29日に発生した火災事故で稼働を停止し、9日に操業を再開したと発表している。インドネシア国営プルタミナは12日、5~6月分として92RONガソリン20万バレル型6カーゴの買付け入札を行った。 韓国積み91RONガソリン(SR船型)の市況連動相場は上昇した。需要増が相場を押し上げた。韓国品の主要な仕向け先である日本から、4月後半~5月積みに買い引き合いが強まっている。日本国内では、製油所の計画外停止を背景に、ENEOSが国内外でガソリンを調達していることもあり、供給に引き締まり感が強まっている。また、ゴールデンウイークの需要期に近ついている上、国内市況が韓国からの輸入試算を上回っているため、日本商社などは輸入意欲が強まっている。
ナフサ 北東アジアの市場関係者によると、「日本着ナフサ相場はやや軟化している」という。背景として、出光興産や韓国のハンファトタル、タイのIRPCなどのナフサクラッカーが定修入りしていることで、ナフサ需要が軟化していることが挙げられるようだ。また、5月には韓国のロッテケミカルのナフサクラッカー1基も定修入りする予定だ。 また、台湾のフォルモサ石油化学(FPCC)が所有する麦寮の第1ナフサクラッカーがトラブルのため稼働を停止していることで、「今のところFPCCによる買付けの動きはみられない一方、ナフサ需要減少の影響は大きいとみられる」と北東アジアの市場関係者はいう。
中間留分 中東積み0.001%S軽油(LR船型)の市況連動相場はもち合った。市場関係者によると、短期的に中東域内で軽油需要が強まるとの見方が伝えられた。13日にイスラム教のラマダンが始まり、物流などの増加が見込まれるためだ。この場合、中東からの輸出がやや減少する公算が大きい。一方、インドでは新型コロナウイルスの感染拡大が続いており、軽油の需要が低迷している。このため、「余剰となった軽油の輸出が増える可能性がある」(市場関係者)という。4/14
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場はもち合い。韓国南部で荒天があった影響で、荒天後には韓国石油会社各社はVLSFOの積極的な販売に乗り出している。南部にオンサン製油所(日量69万バレル)を抱えるSオイルは、一時ターミナルの供給に支障をきたしたことから、その遅れを挽回するためオファー水準を切り下げて他社との価格競争に応じているもよう。韓国石油会社によると、「石油各社は需要をできる限り掴もうと躍起になっている」ようだ。VLSFOの基材となる0.5%S重油は引き合いが増すにも、安売り圧力が加わりそうだ。4/14
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