アジア石油製品=4月26~30日:0.5%S重油が軟化、VLSFO市況下落につれ安
ガソリン 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は横ばい。大連西太平洋石油化工(WEPEC)は、5月積みの輸出玉全量をターム契約者へ供給する予定のようだ。一方、インドネシア国営プルタミナは26日、92RONガソリン20~35万バレルの買付け入札を締め切った。対象は、5月1~5日シンガポールおよびマレーシア積みあるいは5月7~10日インドネシア着。応札価格の有効期限は27日。 一方、供給は増える傾向にある。中東産ガソリンがアジア市場へ流れているという。中東地域では製油所の精製能力が増強されているため、今後も輸出が増える可能性が指摘されている。既報のとおり、ガソリンの精製マージンが堅調なため、中国や韓国の石油会社も5月積みの輸出を拡大している。ドバイ原油に対するガソリンの精製マージンは依然として9.00ドル近辺を維持している。
ナフサ 日本着ナフサの市況連動相場は弱含みが続いている。三井化学は、27日に6月前半着オープンスペック・ナフサを5月前半評価で日本市況に対し-1ドル程度のディスカウントで入札を通じて購入したもよう。本入札には、10社以上の応札があり、複数の売り手が日本市況に対しディスカウント水準の売唱えを提示したという。北東アジアの市場関係者は「パナマ運河の航行待機日数が2日程度まで短縮しており、米国積みオープンスペック玉のアービトラージが開いていることが、北東アジア着市況には弱材料となっている」という。また、先週には韓国のハンファトタルやGSカルテックスが6月前半着ヘビーフルレンジナフサを日本市況に対し5ドル程度のプレミアムで買い付けていた。
中間留分 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は弱含み。需要後退が相場を下押した。これまでの相場を支えていた米国向けの買い引き合いが減退している。フレート高などを背景に、アジアから米西海岸向けのアービトラージが閉じている。 韓国積み灯油(SR船型)の市況連動相場は下落。需要期が終わり、日本の買いが弱い。日本商社などは、安値であれば購入して在庫を補充したいと伝える程度。売り買い唱えが乖離し、成約の情報は聞かれていない。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は軟調。バンカー向けVLSFO相場が価格競争によって下落していることで、基材となる0.5%S重油市況も下押し圧力を受けた。中国でVLSFOが在庫処理のために安売りが進んでいる影響によって、韓国やシンガポールにも価格競争が波及しており、VLSFOとその基材となる0.5%S重油の市況連動相場が下落している。これを受けて、「韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は、シンガポール市況(0.5%S)に対し20.00ドル程度のディスカウントへと軟化している」と韓国石油会社は伝えている。「安い市況連動相場でも、積極的に需要を掴もうとするプレーヤーの売りが増えている」(同)ようだ。
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