アジア石油製品=6月14~18日:SR船型ガソリン市況が上伸、日本から引き合い増加
ガソリン 北東アジア積みガソリン(MR船型)では台湾の石油会社が売りを続けている。台湾フォルモサ石油化工(FPCC)は17日、7月27~31日積みとして93RONガソリン25万バレルの販売入札を締め切った。既報のとおり、FPCCは先週にも入札を通して7月16~20日と21~25日積みの93RONガソリン25万バレル型2カーゴを販売している。需要面では、日本の元売りが製油所のトラブルを背景に、7月積みの91RONガソリンMR船型を物色していたものの、現段階でも成約に至っていない。同じく製油所のトラブルを背景に、日本の大手元売りも6月末積みの91RONガソリンMR船型を調達していたようだ。 韓国積み91RONガソリン(SR船型)の市況連動相場は上伸。日本から買いが増えている。日本国内では製油所のトラブルが相次いでいるため、複数の元売りが国内外でガソリンの調達を進めている。大手元売りは国内で複数の日本商社からも購入していたため、日本商社は韓国積みの買いを増やしている。
ナフサ 北東アジアのスポット市場では、日本勢による8月着品の調達が確認されている。三井化学は、入札を通じて8月4~18日着パラフィニックナフサ(パラフィン比率75%)を日本市況に対し10ドル前後のプレミアムで買い付けたもよう。入札には売り手8社が参加した。また、昭和電工は8月初め着パラフィニックナフサ(パラフィン比率75%)を日本市況に対し10.5~11ドルのプレミアムで調達したようだ。北東アジアの市場関係者は「今のところ8月品の日本着ナフサ市況は堅調に推移しているものの、エチレン相場の下落によって基材となるパラフィニックナフサ市況はやや軟化している」という。背景には、韓国のLG化学が先週末に新規ナフサクラッカーの稼働を開始したほか、今週にはGSカルテックスも同設備を稼働開始するため、エチレン供給に余剰感が生じていることがある。ただ、底堅いエチレン誘導品相場がナフサクラッカーの稼働および需要を下支える状況が続きそうだ。
中間留分 北東アジア積み0.05%S軽油(MR船型)の市況連動相場は軟調。供給に余剰感が強まっている。中国向けの分解軽油(LCO)の需要減を背景に、韓国の石油会社が0.05%S軽油の輸出に注力している。韓国石油1社が今週、7月積みのMR船型をスポット販売したことが判明した。この他にも、韓国石油2社に7月積みの売り物がありそうだとの声が聞かれる。既報のとおり、韓国GSカルテックスは先週までに7月積みとしてMR船型合計6カーゴを販売している。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場はもち合い。台湾では売り気配がみられるも、重油の供給を減らす動きも進んでいる。台湾中油(CPC)は、6月末ごろに7月積み0.5%S重油およびスラリー油各2万トンの販売入札を実施することを検討しているという。ただ、同社による6月中における7月品の販売については、同入札のみとなる予定。5月よりも需給構造が悪化し、採算性も低下しているという。このところ、精製マージンもVLSFOなどよりガソリンの方が好調なため、CPCは常圧蒸留装置(CDU)よりも残油流動接触分解装置(RFCC)の稼働を引き上げ、重油よりガソリンの生産に傾注することを計画している。
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