アジア石油製品=6月21~25日:ガソリン相場は堅調、フレート安と中国の供給減で
ガソリン 韓国積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は強含み。フレート安および中国からの供給減が相場を押し上げた。既報のとおり、国内の販売マージンが良好なことや、輸出割当量の不足から、中国の石油会社は7月積みの販売を抑えている。一方、製油所のトラブルを背景に、日本の元売りがガソリンの輸入に踏み切っている。日本の大手元売りは、韓国品に加え、中国品も数カーゴ購入しているようだ。
ナフサ 北東アジアのスポット市場では、台湾勢による買い気がみられる。フォルモサ石油化学(FPCC)は、8月前半着ナフサの買付け入札を24日に締め切った。また、来週には韓国勢による調達の動きがみられそうだ。なお、北東アジアの市場関係者によると「日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は、日本市況に対し1けた台半ばのプレミアムで推移している」という。 また、引き続き日本勢も8月着品の購入を検討している。三井化学は、今週後半にも8月前半千葉着ナフサの買付け入札を実施する見通し。また、昭和電工は8月後半着玉の調達を計画しているようだ。 ナフサクラッカー関連では、韓国のGSカルテックスの増設設備はフル稼働まで1か月程度を要するもよう。また、LG化学の同設備は稼働が不安定な状況。さらに、ロッテケミカルのエチレン設備も定修明け稼働引き上げ段階だ。ただ、ナフサ市況としてはこれら稼働引き上げに伴う需要増は織り込み済みとされているうえ、今後稼働が上昇してエチレン市況が供給増からさらに弱含んだ場合には、エチレン基材となるナフサ相場には弱材料となりそうだ。
中間留分 北東アジア積み0.001%S軽油の市況連動相場は軟化。7月積みを対象とする商談は終盤に差し掛かっており、消化を意識してか割安な売値も浮上し始めた。日本勢ではENEOSが7月末積みを販売した。複数市場関係者によるとFOBベースでシンガポール市況対比60セント程度のディスカウントで妥結したようだ。売り先は豪州のアンポルとみられる。同社は7月積みについて当初はMRサイズで少なくとも3~4杯程度の販売を予定していたが、麻里布製油所の不調などからこの販売で7月積みの商いを手仕舞う可能性が伝えられる。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場はもち合い。韓国石油会社によると、「バンカー向けVLSFOと0.5%S重油の韓国積み市況連動相場は、ともにシンガポール市況(0.5%S)に対し20.00ドル程度のディスカウントで、引き続き低調に推移している」という。背景として、中国向けライトサイクルオイル(LCO)への課税政策の影響によってLCOの代わりに軽油やVLSFOおよびその基材となる0.5%S重油の供給が過剰となっていることがあるようだ。一方、台湾のフォルモサ石油化学(FPCC)は、依然として残渣油脱硫装置(RDS)が6月末~7月初めごろまでの予定で停止していることを受け、7月品の販売入札の実施については手控えているという。
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