アジア石油製品=6月28日~7月2日:韓国積み0.5%S重油は下落、VLSFO供給増で
ガソリン 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場はもち合い。ただ、中国からの輸出減を背景に、相場は強含んでいる。中国の石油会社は輸出割当量が不足しているため、販売に動けない状況。これにより、シンガポール市場でも供給に引き締まり感が台頭し、市況は上昇している。いまのところ、北東アジアの石油会社は8月積みの輸出計画を決めていないようで、スポットの販売に動いている気配はない。台湾フォルモサ石油化工(FPCC)は、8月積みではターム品だけの供給を予定しており、スポットの販売を見送る方針。
ナフサ 北東アジア市場では、パラフィン比率の高いナフサの成約水準が低調に推移している。背景に同ナフサを基材とするエチレンのクラックマージンが縮小傾向にあることが挙げられる。足元では、韓国のGSカルテックスの新規ナフサクラッカーが不具合によって立ち上げに支障をきたしていることや、ロッテケミカルのエチレン設備の一部も定修明け一時稼働を停止したことなどによって、品薄感からエチレン市況も下支えられているものの、それら稼働率が上昇すればじきにエチレン相場の下落に伴ってライトナフサの日本着対比プレミアムもまた軟調に推移するとの見方が強い。
中間留分 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は変わらず。中国の輸出減少を背景に相場は底固い。中国石油会社は輸出割当量が不足しており、カーゴの販売に動けず、7月積みの輸出は極めて少ない。同8月積みも少なくなりそうだ。そのうえ、日本でも8月積み輸出が限られそう。日本国内では製油所のトラブルが頻発し、国内市況も高止まっているため、元売りによる輸出は鈍っている。台湾フォルモサ石油化工(FPCC)は、8月末積みとして50万バレルの販売入札を予定している。中東系トレーダーは、7月後半韓国積みMR船型を転売したようだ。価格はFOBベースでシンガポール市況(0.001%S)に対し60セントのディスカウント。期近積みカーゴのため買い手が限られ、割安な価格で取引されたとみられる。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は下落。バンカー向けVLSFOの売唱え水準が切り下がっていることを受け、VLSFO基材となる0.5%S重油のディスカウントも拡大。韓国では、SKエナジーが製油所稼働を引き上げており、VLSFOは供給量が増加していることに伴ってスポット販売の市況連動相場が6~7月のターム水準に比べて大幅に下落している。この状況を反映して、「韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場も、シンガポール市況(0.5%S)に対し25.00ドル程度のディスカウントへと下落している」と韓国のトレーダー筋はいう。
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