アジア石油製品=7月5~9日:ガソリン市況は上伸、供給減で
ガソリン 韓国積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は上伸。供給減が相場を押し上げた。既報のとおり、中国から輸出が大きく減少している。中国の石油会社は輸出割当量が不足し、石油製品の輸出に動けない状況。また、中東やインドでは二次装置のトラブルが続いているため、輸出が減少し、アジア市場へ流れるカーゴが少なくなっているという。一方、日本でも製油所のトラブルが相次ぎ、日本商社などが韓国品の買いを強めている。
ナフサ 北東アジアの石化市場では、オレフィン相場が上昇している。ナフサに対するエチレンのクラックマージンは300ドル程度へと回復しており、石化メーカー各社のナフサクラッカーはフル稼働だ。一方、韓国のGSカルテックスの新規ナフサクラッカーが6日にオンスペック品の生産が確認されているのは既報のとおり。その稼働上昇に伴う供給増によって、オレフィン市況は再び軟化するとの見方も根強い。その場合、オレフィン基材となるパラフィニックナフサの需要は縮小しそうだ。既に同グレードの米国積み玉については買い気が後退しているほか、米国需要の伸長でアジア向けアービトラージは閉じている。
中間留分 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は強含んだ。需要増が相場を押し上げた。アジア域内の需要は依然として振るわないものの、一時的に北米向けのアービトラージが開いたため、トレーダー筋は同地域向けの調達を狙い、買いを強めている。その中、韓国GSカルテックスが5日、入札を通して8月1~5日と6~10日積みとしてMR船型2カーゴを販売した。価格はFOBベースでシンガポール市況に対し20セントのディスカウントと小幅なプレミアムで聞かれる。また、台湾フォルモサ石油化工(FPCC)も同日、入札を通して8月中旬積みの30万バレルを販売した。価格はFOBベースで同市況対比5セント超えのプレミアムと伝えられた。
重油 韓国積み0.3%S重油(MR船型)の市況連動相場はもち合い。ただ、日本では、このところの液化天然ガス(LNG)価格の高騰から発電燃料としてLNGから0.3%S重油の使用へと切り替える動きが浮上している。中国電力は、このほど0.3%S重油1万トンを調達していたもよう。また、東北電力も商社を通じて1~2万トンの同油種の購入を検討しているようだ。一方、台湾中油(CPC)は、8月着0.3%S重油4万トンの買付け入札を7日に締め切った。応札価格の有効期限は9日。さらに、フォルモサ石油化学(FPCC)は、入札を通じて7月中旬積み0.5%S熱分解油1万トンをシェル向けへ販売した。
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