アジア石油製品=7月19~21日:軽油は底堅い、豪州向け需要が旺盛
ガソリン 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は先週末から変わらず。東南アジアの需要が振るわず、スポットの取引は盛り上がりを欠いている。インドネシアやベトナムなどでは新型コロナウイルスの感染が拡大しているため、内需が減少しているようで、スポット輸入の動きが鈍っている。このところ、東南アジアからスポットの買いは確認されていない。一方、北東アジアから供給が増えるとの見通しが聞かれる。ガソリンの精製マージンが堅調なため、北東アジアの石油会社はガソリンの生産を増やしている。また、輸出割当量の不足により輸出を抑えていた中国の石油会社が近く販売に動きそうだ。既報のとおり、中国は今年2回目の石油製品の輸出割当量を合計950万トンに決めているとの情報がある。
ナフサ 中東積みナフサ(LR船型)の市況連動相場は変わらず。ただし、北東アジア需要家の買い気が強く、需給引き締まり感が引き続き強い。北東アジアの石化メーカーがこのところ8月後半~9月前半着品を相次いで調達している。「域内の製油所トラブルなどでナフサの供給が減り、買付け量を増やしている面もある」(市場関係者)。また、アジア域内でガソリン需要が強まっており、基材となるナフサを物色するプレーヤーが増えているとの見方も伝えられた。
中間留分 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は小幅高。アジア域内の売り物は少なく、需給引き締まり感を背景に相場は上昇している。豪州ではジェット燃料油の好調な出荷ペースを背景に同油種の出荷量を増強しているとの指摘があり、引き続き軽油の精製量が少ないもよう。北東アジア圏の需要は依然として伸び悩んでいるものの、域外向けに一定量の需要があるため相場は底堅いとの指摘がある。一方、相次ぐ製油所の不調を背景に8月積みの販売には消極的だったENEOSについて、市場関係者からは1カーゴ程度の販売がある可能性が示された。日本国内の玉繰りを再検討しているため、現在は積み地などの調整を行っているもよう。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は変わりがない。市場関係者によると、引き続き韓国ではSKエナジーが、バンカー市場でVLSFOを安値で販売している。依然として在庫水準が高いようだ。ただし、極端な安値での販売を嫌い、一部の韓国石油会社は価格競争に警戒感を抱いているとの指摘も聞かれた。
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