アジア石油製品=8月9~13日:ガソリンは変わらず、中国が輸出割当量を発表
ガソリン 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場はもち合い。中国政府が9日、今年2回目の石油製品の輸出割当量を通達したため、石油会社が輸出を再開している。輸出割当量は合計1,050万トンで、内訳はガソリン、ジェット燃料および軽油を合わせて750万トン、低硫黄重油300万トン。大連西太平洋石油化工(WEPEC)は、8月積みとして92RONガソリンMR船型の販売入札を開示した。応札の締め切りは11日。一方、東南アジアからは依然としてスポットの買いが乏しい。インドネシアやベトナムなどでは新型コロナウイルスの感染拡大が深刻なため、内需が減少し、スポットの買いが長らく見られない。
ナフサ 北東アジアのナフサ市況は弱含み。新型コロナウイルスの感染拡大が続き、石化製品需要にも頭打ち感が出ているとの声が聞かれた。今回の拡大局面では中国でも感染が深刻になっているため、「石化製品の需給動向に懸念が強まっている」(市場関係者)との指摘もあった。一方、取引対象が9月後半から10月前半ものに移行しつつあるなかで、「ガソリン需要期がピークアウトする米国でも、基材となるナフサに余剰感が出てきそうだ。今後、アジア向けのナフサ輸出が増える可能性がある」(同)」との見方が伝えられた。
中間留分 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は底堅い。足元では米国西海岸向けの引き合いが継続していることから、これが相場を下支えする要因となっている。しかし、台湾積みについては米国向けに販売されるケースはまれなため、域内の航空需要の乏しさを反映し軟化する展開となった。 北東アジア積み0.05%S軽油(MR船型)の市況連動相場は弱含み。需要不振が相場を下押した。東南アジアでは新型コロナウイルスの感染拡大により、内需が減少し、スポットの需要が低迷している。輸入ポジションであるベトナムから軽油の輸出も見られる。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は横ばい。韓国では、引き続きSKエナジーやSオイルがVLSFOの価格競争を展開している。SKエナジーは、新型コロナウイルスの変異種拡大による需要減少の見通しから製油所の稼働率を70%台前半にとどめているものの、低硫黄重油の得率は最高水準を維持しているという。既報のとおり、同社はVLSFOの月間販売量を以前の20万トン程度から8月は35万~40万トンへと増やす計画だ。一方、Sオイルはオンサン製油所(日量66万9,000バレル)をほぼフル稼働しており、低硫黄重油の供給も潤沢だ。このような状況下から、市場での供給過剰感は緩和されそうにない。日本では、コスモ石油などから韓国向け低硫黄重油の輸出などはみられていない。
|
|