アジア石油製品=9月27日~10月1日:0.3%S重油が堅調、高騰するLNGの代替で需要増
ガソリン 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は変わらず。北東アジアの石油会社は11月積みの輸出計画を決めていないようで、スポットの売りは見られない。ただ、中国からの輸出が引き続き少ない見通しで、供給の引き締まりが続く可能性が指摘されている。既報のとおり、中国の石油会社は輸出割当量の枠が少ないことから、輸出に積極的に踏み切れない状況。一方、東南アジアの需要は増える傾向にあるものの、このところインドネシアやベトナムなどの主要な輸入国から新たな買いは確認されていない。ベトナムでも新型コロナウイルスの感染者が減少しているが、スポットの買いは長らく見られないようだ。
ナフサ 中東積みナフサ(LR船型)の市況連動相場は上昇。品薄感を受けた。市場関係者によると、「中東積みナフサ(LR船型)の市況連動相場は、中東市況に対し18.00~20.00ドルのプレミアムで推移している」とみられている。一方、既報のクウェート国営石油会社(KPC)による12月起こしのターム交渉について、実際には再来週ころから開始する見通し。また、北東アジア着市況がこのところ堅調に推移していることも強材料のひとつ。北東アジアでは、新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着きつつある国や地域もあり、一部の需要家は11月着以降のカーゴ調達を増やしているようだ。
中間留分 北東アジア積みの0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は軟化。10月末積みの消化売りが散見されている。また、シンガポール市場が期先にかけてバックワーデーションを形成していることも売買水準の下落要因となっている。中東系トレーダーは10月27~29日韓国積みをFOBベースでシンガポール市況対比45セントのディスカウントで販売した。同社は23~27日積み、27~31日積みの少なくとも2カーゴを有しているが、成約には至っていないという。また、日本積みについても大手石油会社がシンガポール市況対比で30セントのディスカウントで売りに動いているが、こちらも成約されていないようだ。すでに市場参加者の多くは関心を11月積みに移しているとあって、買い気が乏しいもよう。
重油 韓国積み0.3%S重油(MR船型)の市況連動相場はもち合った。ただ、日本では価格高騰が続く液化天然ガス(LNG)の代替として重油の調達が増え、0.3%S重油市況の地合いも堅調。韓国のSKエナジーは、このところ東北電力向けとして低硫黄重油1カーゴを販売していたもよう。価格はいまのところ明らかとなっていない。また、三菱商事は中国電力向け高硫黄重油の輸入を増やしているようだ。同社が関西電力向けとして低硫黄重油の購入に動いているとの観測も聞かれた。一方、韓国のトレーダーは、「すでに主要な発電燃料がLNGへと移行している韓国では、低硫黄重油の電力向け需要が今冬に伸長するか現時点で不透明」と伝えている。
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