アジア石油製品=10月4~8日:0.3%S重油は反落、相場の上げ一服で
ガソリン 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は強含み。中国からの輸出減を背景に、供給に引き締まり感が強まっている。中国の石油会社は輸出割当量の枠が不足しているため、輸出を抑えているのは既報のとおり。このため、11月積みでも中国からの輸出は少なそうだとの見方が聞かれる。一方、東南アジアではロックダウンが徐々に解除され、インドネシアなどからスポットの買いが増える傾向。そのなか、台湾フォルモサ石油化工(FPCC)が7日、入札を通して11月18~22日と23~27日積みの93RONガソリン25万バレル型2カーゴを販売した。これらは、トレーダー1社がFOBベースでシンガポール市況(92RON)に対し1.20ドルのプレミアムで落札したとの情報が寄せられた。同トレーダーは大型船で引き取る公算が大きく、割高な価格で成約されたとみられる。
ナフサ 北東アジアのスポット市場では、中国、韓国、台湾などで祝日があったため、11月後半着品の買い気は乏しかった。一方、三井化学は先週、11月前半千葉着パラフィニックナフサ(パラフィン比率75%)を日本市況に対し6ドル後半から7ドル強のプレミアムで購入していたもよう。また、韓国のYNCCも11月前半着パラフィニックナフサ(パラフィン比率75%)を日本市況に対し5.75ドルのプレミアムで調達していたようだ。さらに、SKエナジーが、11月着パラフィニックナフサ(パラフィン比率83%)の買付けに動いているとの情報が寄せられている。北東アジアの市場関係者によると、「日本着パラフィニックナフサの市況連動相場はじり安となっている」という。背景として、自動車の減産などで石化製品需要が先細りになっていることに加え、中国では電力不足で工場稼働が停止するなど経済活動が後退している。需要悪化で域内のエチレン相場に下落圧力が増しており、エチレン基材となるパラフィニックナフサのプレミアムが縮小傾向にあるという。
中間留分 北東アジア積みの0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は横ばい。11月商談がスタートしているが、様子見ムードが漂っており実売買の動きは浮上しなかった。日本では11月初旬積みの売りを検討する石油会社がいる。豪州勢の強い買い気が継続していることなどを背景に、シンガポール市況対比で小幅プレミアム程度での売りを検討しているようだ。一方、日本や韓国積みの売買を検討する商社によると、11月初旬~上旬積みはシンガポール市況対比で10~20セントのディスカウントが成約に至る水準という。現在連休に入っている中国勢が売りに動き始めれば、ディスカウント幅が深くなる可能性も示された一方、同国が国内供給を優先して販売を抑制すればむしろ相場は切り上がるとの見方もある。先行き不透明感から実売買には動きにくい状況となっている。
重油 韓国積み0.3%S重油(MR船型)の市況連動相場は下落。このところ市況が強含んでいたことに対する反動を受けた。韓国東西発電(EWP)は先週、入札を通じて10月初め着および11月中旬着0.3%S重油5万トンと2万トンを購入。価格はCFRベースでシンガポール市況(180cst)に対し105.00~110.00ドルのプレミアムだったもよう。市場関係者によると、「成約水準から判断すると、韓国積み0.3%S重油(MR船型)の市況連動相場は、シンガポール市況(180cst)に対し85.00~95.00ドルのプレミアムで推移している」とみられている。一方、台湾中油(CPC)は、11月着0.3%S重油の買付け入札を5日に開示した。
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