アジア石油製品=10月18~22日:ガソリン価格は上伸、東南アジアの需要増で
ガソリン 北東アジア積みガソリンの市況連動相場は強含み。需給の引き締まりを背景に、相場は急騰した。新型コロナウイルスの感染者が減り、ロックダウンが徐々に解除され、インドやインドネシアからスポットの買いが旺盛な状況。一方、中国から輸出が大きく減少しているため、アジアでは品薄感が強まっている。このところ、中国石油1社が11月華南積み92RONガソリンLR船型を販売したとの情報が寄せられた。価格はFOBベースでシンガポール市況(92RON)に対し2.00ドルを超えるプレミアムと伝えられた。この価格をMR船型に換算すると、FOBベースで同市況対比1.20ドル近辺のプレミアムになりそうだとの見方が聞かれる。また、他の中国石油1社は11月前半大連積みの93RONガソリンMR船型を販売していたようだ。価格はFOBベースで同市況対比2.00ドルを超えるプレミアムと伝えられる。
ナフサ 北東アジアのスポット市場では、日本勢や韓国勢による11月後半着品の調達が続いている。今週に入って、三菱ケミカル旭化成エチレンおよびLG化学は、パラフィニックナフサ(パラフィン比率75%)をそれぞれ日本市況に対し12ドルおよび11ドルのプレミアムで購入したもよう。 域内では、プロピレン相場が反落し始めているものの、エチレンのナフサに対するクラックマージンは400ドル弱程度で推移しており、エチレン基材となるパラフィン比率の高いナフサの需要は底堅い。これを受けて、日本着パラフィニックナフサの市況連動相場も小幅強含んでいる。
中間留分 北東アジア積み0.05%S軽油(MR船型)の市況連動相場は強含み。需要が増え、トレーダーの買いが強まっている。中国の沿岸地域で禁漁期を終えていることから、海上取引用の軽油需要が増えている。また、東南アジアではロックダウンが徐々に解除され、需要が増える傾向。ベトナムなどからはスポットの買いが見られ始めている。そのなか、GSカルテックスが15日、入札を通して11月21~25日、23~27日および25~29日積みのMR船型3カーゴを販売した。価格はFOBベースでシンガポール市況(0.001%S)に対し1.30~1.35ドルのディスカウントと伝えられた。
重油 韓国積み0.3%S重油(MR船型)の市況連動相場は上伸。韓国の電力会社から発電向け低硫黄重油の需要が増加していることを受けた。韓国東西発電(EWP)が、このところ10月着0.3%S重油をCFRベースでシンガポール市況(180cst)に対し119.00ドルのプレミアムで購入していたとの情報が寄せられている。韓国の石油会社によると、「韓国積み0.3%S重油(MR船型)の市況連動相場は、シンガポール市況(180cst)に対し95.00~105.00ドルのプレミアムへ上昇している」という。また、韓国地域暖房公社(KDHC)は、11~12月着0.3%S重油各3万トン・2カーゴの買付け入札を実施している。応札価格の有効期限は21日。
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