アジア石油製品=11月22~26日:軽油は軟調、韓国積み品の増加見通しで
ガソリン 北東アジア積みガソリンは横ばい。しかし、供給増の見通しから、相場の基調は弱い。中国の石油会社がこれから12月積みの販売を本格化しそうだ。中国では国内の在庫が積み上がっているため、12月積みの輸出を増やす可能性が高まっている。大連西太平洋石油化工(WEPEC)が先週までに12月10~12日積みとして93RONガソリンMR船型の販売に乗り出していた。また、韓国でも複数の石油会社が12月積みのスポット玉を抱えている。
ナフサ 北東アジアのスポット市場では、韓国勢による1月前半着品の買付けが続いている。YNCCは、パラフィン比率80%のナフサを日本市況に対し31~32ドルのプレミアムで購入していたもよう。また、ロッテケミカルは、パラフィン比率75%のナフサをカーゴ到着45日前評価で同市況に対し18ドルのプレミアムで調達していたようだ。アジアの市場関係者によると、「この成約は、カーゴ到着30日前評価では日本市況に対し20ドル台半ばのプレミアムに相当する」という。同市場関係者は、「日本着ナフサ相場は、パラフィン比率75%で日本市況に対し20ドル台半ばのプレミアム、オープンスペック・ナフサで日本市況に対し10ドル台半ばのプレミアムで推移している」とみている。一方、域内の液化石油ガス(LPG)市場では、このところブタン価格がナフサ価格と同水準もしくは下回っており、既に韓国勢がナフサの代替としてLPGを調達する動きがみられるとの声も聞かれた。 設備関連では、韓国の現代ケミカルが新規エチレン設備を稼働開始しているものの、「原料がナフサではないため、ナフサ市況への影響は限定的」と市場関係者は指摘した。また、LG化学は定修明けが遅れていたデサンに所有するナフサクラッカーの稼働を再開し、稼働率を引き上げている。ただ、同社によるナフサの輸入はいまのところ確認されていない。
中間留分 北東アジア積みの0.05%S軽油(MR船型)の市況連動相場は切り下がっている。韓国積みの売り物が増加傾向。韓国では尿素水の不足を背景に、軽油を燃料として使用するバスやトラックの運行が停滞しているという。このため、国内での軽油需要が減退しており、輸出量が増加傾向にあるようだ。また、韓国では製油所の稼働率も上昇しているとあって、12月以降も売り物が多いとの見方が伝えられた。
重油 韓国積み0.3%S重油(MR船型)の市況連動相場は変わらず。韓国のSKエナジーは、いまのところ製油所の平均稼働率を70%台で運営しているものの、1月以降には80%台まで引き上げる計画という。これに伴い低硫黄重油の生産も増える見通しで、12月には新たな低硫黄重油カーゴを輸出する可能性がありそうだ。一方、台湾のフォルモサ石油化学(FPCC)は19日までに、12月初旬積み0.2%S熱分解油1万トンを入札を通じて販売していた。
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