アジア石油製品=12月13~17日:ナフサは堅調、品薄感を反映
ガソリン 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は強含み。需要増が相場を押し上げた。新型コロナウイルスの変異株であるオミクロン株の影響が限られていることから、トレーダーの調達意欲が喚起されている。また、インドネシアからスポットの買いが続いている。インドネシア国営プルタミナは1月2~4日積みの88RONガソリン20万バレルと1月前半と後半分の92RONガソリン各最大50万バレルを買い付ける入札を実施した。台湾フォルモサ石油化工(FPCC)が14日、入札を通して1月22~26日と27~31日積みの93RONガソリン25万バレル型2カーゴを販売した。
ナフサ 北東アジア市場で1月後半着品相場はやや反発基調にある。年末に向けてトレーダーが売りを手控えつつあるため供給薄となっているためだ。また、このところの原油市況反発も影響している。そのほか、域内の液化石油ガス(LPG)市場でプロパン相場がナフサより再び割高となっている。ブタン相場はやや割安が続いているものの、「プロパンと合積みになるブタンを日本の石化メーカーなどは好まないため、実際にLPGを買う日本勢はみられない」と北東アジアの需要家はいう。ナフサからLPGへの切り替えが想定より伸びず、ナフサ市況には下支えとなっている。さらに、米国積みナフサなどのアービトラージが拡大しておらず、品薄感が解消しないこともアジアのナフサ相場には強材料となっている。
中間留分 北東アジア積み0.05%S軽油(MR船型)の市況連動相場は軟化。需要不振が相場を下押した。北東アジア出し0.05%S軽油の主要な仕向け先の一つである台湾周辺の海上取引用の需要が振るわない。中国で新型コロナウイルスの感染が再び拡大しているうえ、旧正月は来年2月上旬のため、中国の沿岸地域でも1月に漁船用の軽油需要が減少する見通し。また、このところベトナムなどの東南アジアからもスポットの買いが乏しいようだ。
重油 韓国積み0.3%S重油(MR船型)の市況連動相場は変わらず。アジアの主要市場であるシンガポールでは、低硫黄重油の市況連動相場が小幅反落基調なものの、北東アジアの0.3%S重油市況は底堅く推移している。ただ、アジア全体でも年末に向けて需要はやや縮小傾向にある。そのなか、日本では、複数の電力会社が重油を燃料とする装置に不具合を抱えているとの情報があり、重油の消費が想定より進んでいない可能性がありそうだ。それに伴い、日本向けの新たな発電用需要もいまのところ聞かれず。一方、台湾中油(CPC)は、前週末に入札を通じて1月着0.3%S重油を買い付けた。価格は、シンガポール市況(0.5%S)に対して30.00ドル超のプレミアムだった。この価格は、同社による前回の成約水準から2倍超となっている。シンガポール積み市況(0.5%S)のこのところの高騰を反映していたとみられている。
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