アジア石油製品=1月10~14日:軽油は上伸、需給の引き締まりを反映
ガソリン 北東アジア積みの市況連動相場はもち合い。ただ、中国からの輸出が予想より大きく減少しないとの見通しが聞かれ、アジアの供給引き締まりが緩和する可能性がある。中国では新型コロナウイルスの感染が拡大しているため、内需が減少し、輸出圧力が生じているようだ。中国による1月の輸出予定量は合計100万トン弱で、昨年の12月に比べ15%程度減少しそうだ。中国の石油会社はいまのところ2月積みの輸出計画を決めていないため、同月積みの販売に動いている気配は見られない。
ナフサ 日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は、日本市況に対し5~8ドルのプレミアムで推移している。ただし、需要減を受けて基調は弱い。ナフサに対するエチレンのクラックマージンが200ドル程度まで縮小し、エチレン生産が後退している。北東アジア最大の需要家である台湾のフォルモサ石油化学(FPCC)は、採算の悪化からナフサのスポット調達を手控え、ナフサクラッカーの平均稼働率を90~95%から80~85%へと引き下げている。一方、韓国のロッテケミカルは、13日朝にデサンのナフサクラッカーでプロピレン関連装置に不具合が発生したため、稼働率を70%程度まで引き下げているとの情報が聞かれている。
中間留分 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は強含み。需給の引き締まりを受けた。北東アジア圏の売り物は少ないが、豪州や東南アジアの需要は堅調で買い気が継続している。中国勢が輸出を制限するなか、韓国および日本の石油会社らは売唱えを引き上げる傾向にあり、商談水準は切り上がっている。韓国のGSカルテックスが12日に実施した、2月20~24日積みの30万バレルを対象とする販売入札はFOBベースでシンガポール市況対比20セント程度のプレミアムで落札された。市場関係者からは、中国の業者が買い手に回ったとの情報もある。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場はもち合い。韓国のS-オイルのオンサン製油所で、残渣油流動接触分解装置(RFCC)が不具合のため停止しているとの情報が寄せられている。停止期間などの詳細は不明。これにより同社からの低硫黄重油の供給が増えると韓国の市場関係者はみている。
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