アジア石油製品=1月31日~2月4日:軽油は上伸、供給引き締まり観測で
ガソリン 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は変わらず。3月積みの商談を始めるには時期尚早なため、北東アジアからスポットの売りが聞かれない。中国や台湾などは旧正月連休中で、来週以降にスポットの販売に動きそうだ。また、韓国の石油会社は様子見の姿勢を強めており、いまのところ3月積みの販売に動いている気配が見られない。需要面では、インドネシアから複数の買いが出ている。インドネシア国営プルタミナは4日、3月前半分として92RONガソリン30万バレル型あるいは50万バレル型1~2カーゴと90RONガソリン10万バレル型あるいは20万バレル型1~2カーゴの買付け入札を締め切った。応札価格の有効期限は、前者が7日、後者が8日。また、同社は4~6月分として92RONガソリンのターム買付け入札も実施している。数量は月間少なくとも20万バレル型1カーゴ。応札の締め切りは8日、その価格の有効期限は11日。
ナフサ 中東積みナフサ(LR船型)の市況連動相場は上昇。北東アジア着市況の反発を受けた。中東積み相場は、パラフィン比率65%のナフサ換算で中東市況に対し20.00ドル程度のプレミアムで推移していると市場関係者はいう。一方、既報のとおりバーレーン石油公社(BAPCO)が3月積み玉を販売。当初、価格は中東市況に対し20ドル台前半のプレミアムと伝えられたものの、実際には同市況に対し30ドル台のプレミアムだったとの情報が寄せられている。また、クウェート国営石油会社(KPC)は、4月起こしのターム契約について、来週から北東アジアの需要家と交渉を開始する見通し。商談水準は中東市況に対し30ドル前後のプレミアムになるのではとの見方が聞かれた。 2月着の欧米からアジア向けアービトラージの数量は、160万トン程度と前月から50万~60万トン程度減少する見込み。欧州でガソリンの基材としてナフサ需要が伸長していることで、アジア向け供給余力がなくなっていることが一因。アジアのナフサ市況には強材料だ。
中間留分 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は上伸。供給の引き締まりが続く見通しが、相場を押し上げた。中国から3月積みでも輸出が増える兆しが見られないなか、北東アジアでは3月から製油所の定修シーズンに入る。台湾フォルモサ石油化工(FPCC)は3月上旬から40日にかけて常圧蒸留装置(日量18万バレル)の定修を予定している。また、韓国ではSKエナジーと現代オイルバンクが3~4月に定修を予定している。スポットの売り物が少ない見通しから、トレーダーは早めの調達に動いているようだ。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は軟化した。需要減退を受けた。北東アジアでは、韓国は連休が明けたものの、同国の主要取引先の1つである中国がまだ旧正月の休暇中で、中国向け需要が後退している。旧正月が明ける来週初めまで市場で大きな動きはなさそうだ。
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