アジア石油製品=2月28日~3月4日:軽油は急騰、欧州市場のタイト感で
ガソリン 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場はもち合い。北東アジアの石油会社は輸出計画を決めていないようで、いまのところスポットの売りは聞かれない。台湾フォルモサ石油化工(FPCC)は製油所の定修を背景に、3月積みに続き4月積みでもスポットの販売を見送る方針。同社は4月10日まで、麦寮製油所(日量54万バレル)の常圧蒸留装置(日量18万バレル)1基を定修のため停止する。一方、インドネシアなどの東南アジアの需要が堅調なことから、ドバイ原油に対するガソリンの精製マージンは16.00ドル近辺を維持している。スポットの取引では、インドネシア国営プルタミナが4月1~10日着として92RONガソリン20万バレル型の買付け入札を実施している。
ナフサ 北東アジアのスポット市場では、韓国勢がヘビーフルレンジナフサの買付けに動き、成約水準が切り上がっている。ハンファトタルおよびGSカルテックスは、4月後半着ヘビーフルレンジグレードを日本市況に対し40ドル超のプレミアムで購入していたもよう。背景には、ロシア産ヘビーナフサの供給懸念の高まりがあるようだ。韓国は、北東アジアでロシア産ヘビーグレードの主要な仕向け先の1つとなっている。一方、日本では、富士石油が同時期着のヘビーフルレンジナフサの購入に関心を示していたが、市況急騰によって買い控える可能性があると市場関係者は伝えている。
中間留分 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は急騰。先物市況の期先安を背景に、4月前半積みの相場は強含んでいる。原油市況が暴騰を続けているなか、軽油の先物価格は期先安を拡大している。そのなか、需要家は月間価格差のリスクを回避したいとの意向から、4月前半積みカーゴに買い気を強めている。また、欧州地域ではロシア品の供給減で需給が引き締まり、アジアから欧州向けのアービトラージも開いている。このため、アジア市場でも逼迫感が強い状況。一方、北東アジアの石油会社は市況の見極めが難しく、様子見の姿勢を強めている。 中東積み0.001%S軽油(LR船型)の市況連動相場は上伸。需要拡大観測を受けた。ロシアから欧州への軽油輸出が大幅に減少するとの見方が強まっている。欧州では軽油の品薄感が強まっており、引き続き中東やインド品を物色する動きが活発になっているという。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場はもち合い。韓国の最大供給者であるSKエナジーは、ウクライナ情勢の緊迫化により高値で推移するバンカー向けVLSFOの販売に注力。余剰が生じない限り0.5%S重油カーゴの輸出はいまのところ予定していないという。ただ、足元では低硫黄重油の精製マージンが軽油を上回る水準まで拡大しており、韓国石油各社も低硫黄重油の供給意欲が旺盛だ。各社の生産増で余剰が発生すれば、0.5%S重油カーゴの輸出の可能性も残されている。
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