アジア石油製品=3月7~11日:0.3%S重油が上伸、LNGの代替で需要増
ガソリン 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は変わらず。ただ、供給が一段と引き締まる可能性が浮上している。市場では、中国の石油会社が4月積みで輸出を実施しないとの噂が流れている。国内向けの供給を確保したいとの意向があるようだ。また、韓国の石油会社は引き続き様子見の姿勢を強めており、4月積みのスポット販売は聞かれない。一方、シンガポール向けとしてブレンディング用ガソリンの需要が減退している。その背景は、ブレンディング基材であるナフサ市況が急騰しているうえ、先物価格の期先安が拡大していることなどがある。シンガポールの先物市場で、4月と5月限の月間価格差は5.00ドル以上の期先安に推移している。スポットの取引では、インドネシア国営プルタミナが9日、4月1~10日と11~20日着として92RONガソリン18万バレル型と20万バレル型の買付け入札を締め切った。
ナフサ 北東アジアでは、このところナフサに対するエチレンのクラックマージンは100ドル台まで大幅に縮小。ロッテケミカルやLG化学などの韓国勢、台湾のフォルモサ石油化学(FPCC)、マレーシアのロッテケミカル・タイタンなど多くのアジアの石化メーカーがナフサクラッカーの稼働率を平均80%程度まで引き下げているもよう。日本では、昭和電工やENEOS、東ソー、京葉エチレンなどが同装置の定修入りをしている。韓国のYNCCは、ナフサの代替として割安となっている液化石油ガス(LPG)の調達に動くなど、域内のナフサ需要減少は顕著で、スポット市況閑散の一因ともなっている。
中間留分 中東積み0.001%S軽油(LR船型)の市況連動相場は需給引き締まりを受け上伸。既報のとおり、ロシアによるウクライナ侵攻に伴い、欧州へのロシア産軽油の輸出が停滞。トレーダーが代替として、中東やインド、アジア品を物色しているとの声が聞かれる。一方、中東域内の製油所の定修を背景に、中東系トレーダーが域内向けとしてアジア品などの調達に動いているもよう。4月1日に始まるラマダンを前に、在庫を積み増す狙いがあるようだ。
重油 韓国積み0.3%S重油(MR船型)の市況連動相場は上伸。価格が高騰する液化天然ガス(LNG)の代替として発電用需要が伸長していることを受けた。東北電力が、三菱商事もしくは三井物産を通じて、3月着低硫黄重油を買い付けたとの情報が寄せられている。
|
|