アジア石油製品=4月11~15日:韓国積み0.001%S軽油は急騰、供給薄で
ガソリン 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場はもち合った。ただし、供給が増え相場の基調は弱い。中国石油会社による4月積みの輸出は100万トン程度に達する見通し。そのうえ、このところインドなどからも輸出が増えているようだ。また、シンガポールの先物市場で5月と6月限の月間価格差は期先安に推移しているため、5月後半積みカーゴについてトレーダーは買いに積極的ではないという。そのなか、複数の韓国石油会社が5月積みの販売に動いている。韓国石油1社は5月下旬積みとして92RONガソリンMR船型の販売を進めており、成約価格がFOBベースでシンガポール市況(92RON)に対し1.00ドル台のディスカウントに悪化する可能性もあるとの声が聞かれた。
ナフサ 北東アジア市場では、韓国勢による6月前半着の成約が確認されている。YNCCは、5月前半、5月後半および6月前半着玉を日本市況に対し1けた台前半~後半のプレミアムで買い付けていたもよう。北東アジアの需要家は、6月前半着品市況は5月後半着相場に対して、いまのところ上昇はみられないという。一方、京葉エチレンのナフサクラッカーに不具合が生じていると伝えられている。通常稼働に戻るまでの期間など詳細については不明。ただ、その影響によって、丸善石油化学はスポット調達余力がなくなっているとみられている。NWEとアジアの格差は、いまのところアジア高で推移している。ただ、欧州からアジア向けアービトラージが拡大する余地はなさそうだ。ロシア産の調達ができず、欧州では品不足となっているためだ。むしろロシア品の代替として欧州勢が中東品を買い付ける可能性が示唆されている。
中間留分 韓国積み0.001%S軽油(SR船型)の市況連動相場は急騰した。MR船型相場の強さを受けた。韓国品の主要な仕向け先である日本では、製油所のトラブルなどを背景に、供給が引き締まっている。さらに日本では5月に製油所の定修も予定されており、供給の引き締まりが続く見通しで、日本商社などは積極的に輸入する意向だ。そのなか、5月韓国積みSR船型の成約が可能な水準は、FOBベースでシンガポール市況(0.001%S)に対し5.00ドル近辺のプレミアムになりそうだとの指摘が日本商社から寄せられた。一方、韓国の一部石油会社からは、FOBベースで同市況対比5.00ドル台前半のプレミアムで売りアイデアが聞かれた。
重油 韓国積み0.3%S重油(MR船型)の市況連動相場は、シンガポール市況(0.5%S)に対し15.00~25.00ドルのプレミアムともち合い。新たな韓国積み0.3%S重油の成約は聞かれなかった。韓国石油会社によると、地域によって0.3%S重油と0.5%S重油の価格差が40~50ドルあるという。台湾では、台湾中油(CPC)が5~12月着0.3%S重油ターム契約の買付け入札を実施していた。フォルモサ石油化学(FPCC)は、定修中の麦寮製油所(日量54万バレル)の常圧蒸留装置(日量18万バレル)および残油脱硫装置(日量8万バレル)などを、4月末までに再稼働する予定。ただ、同社は当面の間、低硫黄重油の販売入札を実施しないという。現在は定修中で供給が絞られているうえ、低硫黄重油より精製マージンの良い中間留分の生産に注力しているためだ。
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