アジア石油製品=8月29日~9月2日:韓国積み0.5%重油は軟化、需給緩和で
ガソリン 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は大幅に上伸。供給の引き締まりが相場を押し上げた。ガソリンの精製マージンが悪化しているため、北東アジアの石油会社は生産を縮小し、9月積みのスポット玉が限られている。また、中国では国内在庫が高くないうえ、石油会社は石油製品の輸出割当量も限られていることから、9月積みの輸出が極めて少ない。中国海洋石油(CNOOC)は9月末積みの92RONガソリンMR船型を販売したことが判明した。価格はFOBベースで同市況対比1.20ドルのプレミアム。一方、韓国のGSカルテックスがMR船型の92RONガソリン(0.003%S)をフィリピン向けに販売した。9月22~24日積みで、価格はFOBベースでシンガポール市況(92RON)に対し2.60ドルのプレミアムと伝えられた。このカーゴをシンガポール向けとした場合、買唱えはFOBベースで同市況対比80セントのディスカウントで寄せられていたようだ。この買唱えに基づくと、9月末韓国積み92RONガソリンの成約が可能な水準はFOBベースで同市況対比1.00ドル近辺のディスカウントに相当するという。
ナフサ 北東アジアの市場関係者によると、日本着オープンスペック・ナフサ相場は、日本市況に対し2.00ドルのディスカウント~フラットで推移しているという。韓国のロッテケミカルは、10月前半着ナフサ(パラフィン比率70%)を日本市況に対し3.00ドルのディスカウントで購入していたもよう。一方、台湾中油(CPC)は、9月10~25日高雄積みフルレンジナフサ(パラフィン比率70%)3万5,000トンの販売入札を31日に締め切った。応札価格の有効期限は9月1日。CPCは、このところナフサクラッカーの稼働率が70%程度ヘ落ち込んでおり、需要不足からナフサの余剰玉を売りに出しているようだ。 ロシア品のアジア向け供給が戻っている。3月以降、供給量は以前の日量平均20万バレルより急減したものの、8月は2月の半分以上に回復する見通し。市場では、供給量の減少は政治的な理由のほか、中国の石化需要縮小も一因となっていたと伝えられる。また、フジャイラや、ARA(アムステルダム、ロッテルダム、アントワープ)向け玉が増加しており、こうした地域経由の数量を合わせると実際の数量は2月以前からそれほど減少していなかったとの指摘も聞かれた。
中間留分 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は上昇。シンガポール先物市場は引き続き大幅なバックワーデーションを形成しているため、買い手は月間値差によるリスクを回避しようと10月上旬積みに買い気を寄せている。また、軽油市況の高騰による軽油リッチの精製体制維持と製油所の定期修理シーズン入りから、ジェット燃料油の販売量は抑えられる見通し。この中で欧州向けなどの引き合いが旺盛とあって、相場は堅調となっている。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は軟化した。需給緩和を受けた。韓国では、軽油の精製マージンが好調なことを背景に石油各社は製油所の高稼働を維持。それに伴いVLSFOやその基材となる低硫黄重油の供給にも過剰感が生じている。また、アジアの主要市場であるシンガポールの低硫黄重油市況がこのところ大幅に軟化していることも影響している。
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