アジア石油製品=10月17~21日:軽油は軟化も欧州・豪州向け引き合い続く
ガソリン 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は変わらず。中国の石油会社がこれから11月積みの販売を本格化しそうだ。市場関係者によると、中国石油化工(シノペック)と中国石油天然気(ペトロチャイナ)は11月積みの輸出計画を固めているようだ。既報のとおり、中国では新型コロナウイルスの影響により在庫が積み上がっているうえ、石油会社は輸出割当量も充分なことから11月積みの輸出を増やす可能性が高そうだ。韓国でも石油1社が11月積みの販売を進めている。同社が11月下旬積みとして90RONガソリンMR船型を日本向けに販売したことが判明した。買い手は日本の元売り。上述の韓国石油会社はこの他にも11月積みとしてMR船型2カーゴの販売余力があるという。
ナフサ 日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は、カーゴ到着45日前評価では日本市況に対し3.00~4.00ドルのプレミアム、同30日前評価では日本市況に対し5.00~6.00ドルのプレミアムで推移している。12月前半着品について、日本勢ではこのところ、丸善石油化学がオープンスペック・ナフサを2カーゴ、三菱ケミカル旭化成エチレンが買付け入札を2回実施。日本の需要は底堅いとみられる。また、国内では旅行刺激策などの影響によってガソリン市況も底堅く推移しており、日本勢は基材となるヘビーフルレンジナフサの買い気を高めているもよう。日本着ヘビーフルレンジナフサ相場は、日本市況に対し10ドル台後半のプレミアムを維持している。一方、韓国では、12月前半着品の調達の動きが聞かれない。大韓油化工業(KPIC)は、ナフサクラッカーの定修明けを11月3日から7日へ延長し、再開後の稼働率を85%程度と予定している。タイでは、ラヨンオレフィン(ROC)がナフサクラッカーの稼働再開を11月末か12月末まで延長する見通し。アジアのオレフィン市況は振るわず、エチレン装置の定修延長などによって需要縮小が続いている。液化石油ガス(LPG)はナフサに対して割安に推移するも、エチレン原料としてナフサからLPGへの切り替えの動きもみえづらい状況となっている。
中間留分 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は下落。シンガポール先物市場は期先にかけてバックワーデーションを形成しているため、先安観から中旬および下旬積みのプレミアムは上旬積みよりも圧縮されやすい。ただ、欧州向けや豪州向けの引き合いが多い。この中で韓国ではSKエナジーが売り進めている。入札を通じ、各MR船型計2カーゴを販売した。価格は11月11~13日積みがFOBベースでシンガポール市況対比2.40ドルのプレミアム、11月20~22日積みがFOBベースで同市況対比1.10ドルのプレミアムだった。同社は追加で11月24~26日積みのMR船型の1カーゴを対象とする売りにも出ており、18日に入札を締め切った。中国では複数の石油会社が11月上~中旬積みの販売に動き始めたようだ。市場関係者によると、中国海洋石油(CNOOC)などが販売に出ているもよう。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は下落した。需給緩和を受けた。日本商社が、韓国品をシンガポールや日本に発電用として供給しているもよう。ただ、それらがターム契約玉かスポット玉かは判然としていない。北東アジアの石油会社は、「域内で0.3%S重油のスポット玉の取引は聞かれず、0.3%S重油と0.5%S重油の格差は0.1%S毎に20.00ドル強程度にとどまっている」という。韓国積み0.3%S重油の市況連動相場は、同市況に対し20.00ドル前後のプレミアムに軟化しているという。
|
|