LNG=12月5~9日:北東アジア着相場は週の半ばに3日続伸
【DES北東アジア】
北東アジア着相場は週の半ば、欧州の天然ガス市況の上昇を背景に3日続伸した。北東アジアは冬本番を迎え、風力や太陽光の発電量をにらみつつ、「冬の需要見通しを立てられる時期」(日本商社)に差し掛かってきた。この状況下、商談は徐々に活気づいてきた。JERAのトレーディング子会社JERAGMは7日、1月11~17日中国着を英シェルに、2月限の北東アジア着市況に対してプレミアム圏で販売した。欧トレーダーは「JERAGMはJERAへの供給とトレーディング用の販売を念頭にロングポジションを取っていたため、販売に動いても全く驚かない」と指摘。JERAGMはこれまでに冬場着の10カーゴ前後を確保したと伝えられていた。一方、大阪ガスは期近着を販売して2月着を購入するタイムスワップ取引に関心を示しているようだ。ただ、大半の需要家は依然として在庫が高い。
【FOB中東・DES中東・DES南アジア】
南アジア向けでは、インド国営ガス公社(GAIL)が、9日に米国出しの販売とインド着の買付けのスワップ入札を締め切った。インド向けの対象は、1月25~31日ダヘジ基地(年間受入能力1,750万トン)着と2月16~25日ダホール基地(同500万トン)着の2カーゴだった。同社がキャンセルした6日締め入札では、3月1~10日ダホール基地着も対象になっていた。GAILは、6日締め入札をキャンセルした理由について「応札者の提示した条件がGAILの要求するものと異なったため」と述べている。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】
今年11月から新たに稼働を始めたモザンビークのコーラルサウスプロジェクト(同340万トン)では、まもなく2カーゴ目が出荷される見込みだ。MEGI型「ブリテッシュコントリビューター」号(容量17万3,400立方メートル)がプロジェクトの近海に到着しており、船積み開始を待って停船している。「ブリテッシュコントリビューター」号は、英BP傘下のBPシッピングの所有船であり、出荷1船目に続き長期契約者のBPが引き取るもようだ。11月に出荷された初カーゴは、BPがMEGI型「ブリティッシュスポンサー」号(容量17万3,400立方メートル)に搭載し、スペインのビルバオ基地(年間受入能力510万トン)へ12月上旬に供給している。