アジア石油製品=2月13~17日: ナフサ市況高騰、北東アジアで需要増の兆し
ガソリン 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は週末に下落した。中東やインド品が北東アジア域内へ多く流れており、相場を下押しした。中国の一部石油会社は3月積みの販売に着手し始めた。市場では、中国中化(シノケム)が3月華南積みとして92RONガソリンの販売に動いていると聞かれるが、取引の情報は寄せられていない。そのほかの石油会社も今週、3月積みの輸出計画を決めるとみられ、売りが本格化する見通し。ただ、国内の需要が増えていることから、輸出を抑える公算が大きい。
ナフサ 北東アジアのスポット市場では、主要な交渉のタイミングが4月前半着へと移行した。日本では、三井化学は17日、入札を通じて千葉向けオープンスペック・ナフサ2万5,000トンを購入したと伝えられる。価格は日本市況に対し20ドル台後半のプレミアム。今週前半にはさらに複数社が買いに動くとみられる。域内の市場関係者は、日本や韓国で4月着品の買い気が旺盛になっているとの見方を示した。日本着オープンスペック・ナフサ相場は、日本市況に対し20.00ドル超のプレミアムへ上昇していると指摘された。 中東積みナフサ(LR船型)の市況連動相場も切り上がった。中東品需要の伸長が相場を押し上げた。バーレーン石油公社(BAPCO)は、4月1~4日積みナフサ5万トンを中東市況に対し50.00ドルのプレミアムで販売したという。
中間留分 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は軟化。先安観のほか、域外向けの引き合いが乏しくアジア域内の需給が緩んでいることが相場の重しとなった。弱材料が多いなか、日本の石油会社ではENEOSが3月前半積みの販売に乗り出した。同社は3月積みとして少なくともMR船型で3~4杯程度の販売を計画しているようだ。出光興産も3月積み販売を計画しているもよう。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場も切り下がった。シンガポール先物市場の3月限では軽油価格がジェット燃料油を上回っているため、石油会社は採算性の観点から軽油の精製、販売に注力。販売量が需要を上回る状況が続いた。
重油 韓国積み0.3%S重油(MR船型)および0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は前週からもち合い。アジアの石油会社は0.3%S重油と0.5%S重油の格差も硫黄分0.1%差あたり20.00ドル程度で落ち着いていると指摘した。韓国のGSカルテックスは、3月2日から5月4日にかけてヨウス製油所(日量80万バレル)の第3常圧蒸留装置(日量18万バレル)や残渣油接触分解装置(RFCC)など複数装置で定修を計画している
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