アジア石油製品=6月12~16日:ジェット市況上昇、域外向けアーブ拡大
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ガソリン コスモ石油が買い意欲有す、製油所の不調で 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は1週間を通じて同値で推移した。日本勢ではコスモ石油が7月積み品に買い意欲を有している。同社は夏の需要期に向けて当初よりMR船型で1~2カーゴの買いを計画していたが、製油所の装置不調によってMR船型1~2カーゴを追加で購入する。同社の堺製油所では重質油熱分解装置(コーカー、日量3万1,000バレル)がトラブルのため停止。稼働再開は6月末となるが、7月下旬には定期修理のため再び停止するため今後も供給が限られる。
ナフサ OSN固定価格の下落が続く、ブレント原油比のマイナスが拡大傾向 日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は、カーゴ到着45日前評価で日本市況に対し1.00~2.00のディスカウントで推移している。北東アジアでは7月後半着品の商談が終了した。ナフサの固定価格は530ドル台前半にまで下落する場面があり、ブレント原油対比でマイナスが拡大傾向にある。ナフサ市況の弱さが際立っている。 中東積みナフサ(LR船型)の市況連動相場は変わらず。
中間 油種や品質によって動きはまちまち 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は前週から上昇した。複数の強材料がみられる。米国は夏の需要期に差し掛かっているものの、製油所不調や旺盛な航空需要から在庫水準が低い。これにより北東アジアから米西海岸向けのアービトラージが拡大した。また、シンガポール先物市場が期先にかけて小幅なコンタンゴを形成していることも上げの材料。 韓国積み灯油(SR船型)の市況連動相場は下落した。日本からの引き合いが減少している。政府からの補助金が縮小傾向であることが理由だ。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は小幅に切り上がった。供給量が少ない。韓国では7月中旬まで定期修理を実施している製油所があるほか、中国石油会社は輸出に関し目立った動きを見せていない。 一方で、北東アジア積み0.05%S軽油(MR船型)の市況連動相場は強含んだ。主な持ち込み先であるベトナムからの需要が増加している。
重油 韓国石油会社に供給増加観測 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は同水準で推移した。一部の市場関係者は、7月積み以降、韓国石油会社の販売量が増加するとの見方を示している。SKエナジーやS-オイルが、ウルサン製油所(日量84万バレル)、オンサン製油所(同58万バレル)の常圧蒸留装置(トッパー)の定修を終える予定のためだ。ただし、いまのところ新たなスポット販売の動きは聞かれない。市場では、各社がカーゴの輸出ではなく、比較的マーケットが堅調なVLSFOの基材として0.5%S重油を供給するとの見方も出ている。 京浜のVLSFO相場は、6月14日に616.50ドルと6月7日時点から25.00ドル大幅に上昇した。シンガポール0.5%S重油先物高を受けた。
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