アジア石油製品=9月4~8日:高硫黄重油下落、需給緩和感台頭
ガソリン 92RONもち合い横ばいも弱材料が散見 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は前週から横ばい。10月積みの商談は本格化していないものの、市場では弱材料が散見される。前週の後半に中国で新しい輸出割当量が通達されたことにより、供給の引き締まりが緩和されるとの見通しから、先物市場で10月と11月限の月間価格差は縮小している。また、ドバイ原油に対するガソリンの精製マージンも10.00ドル台前半にまで縮小。そのうえ、この数カ月に需要が強まっていたメキシコ向けの買い気も減退しているとの指摘が聞かれる。そういったなか、中国では9月積みの売りが続いている。
ナフサ プレミアム、原油対比のクラックいずれも縮小傾向 日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は、日本市況に対しカーゴ到着30日前評価で3.00~4.00ドルのプレミアムとなり、9月に入って縮小している。石化市況安は解消されておらず、石化メーカーは製品の生産調整を継続。ナフサクラッカーの稼働も頭打ちとなっている。ガソリン市況の基調が弱い点も弱材料だ。 また、指標となるブレント原油相場とナフサのクラックスプレッドも縮小した。原油の上昇対し、ナフサ相場は強さを欠いている。ナフサの精製にかかる採算性が改善しないため、製油所の稼働を思うように上げられない石油会社もある。
中間留分 ジェット、軽油ともに基調は弱く 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は週の初めに強含んだ。ただし、週後半には弱材料が目立ち始め、基調は弱まりつつある。軟化の背景として、欧州からの引き合いが減退していると指摘されている。市場関係者によると、欧州のジェット燃料市況が崩れているという。また、9月後半積みであるものの、中国からの販売が増加している点も、北東アジア域内の需給を緩める一因となっている。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場はもち合った。シンガポールで開かれた国際会議の影響で、プレーヤーが少なく、動意薄の展開だった。10月積み品の具体的な商談は聞かれず。ただし、中国からの販売量が増える公算が大きく、相場の上値は重い。需要面で特段の変化は聞こえず。0.05%S軽油(同)の相場も、東南アジアからの引き合い減のため軟調だ。
重油 製油所稼働高止まり 韓国 韓国積み3.5%S重油(MR船型、380cst)の市況連動相場は下落した。需給緩和を受けた。市場関係者によると、韓国積み品の商談水準は、同市況に対し17.00~18.00ドルのディスカウントが聞かれる。このところアジア域内で380cst重油の買い付けに動くプレーヤーは限られているもよう。一方、SKエナジーやS-オイルの製油所稼働率が90%を超えており、これらの石油会社は一定数量の高硫黄重油を輸出しているとの声が聞かれた。余剰感が台頭しており、取引水準も切り下がっているとの指摘が聞かれた。 京浜のVLSFO相場は、9月6日に656.50ドルと8月31日時点から2.00ドル上昇した。シンガポール0.5%S重油先物高を受けた。需要の弱さを背景に、複数の売り手が、指標価格の月間平均値を大幅に下回る唱えを挙げ成約を目指している。ただ、中国、韓国との価格差は依然として大きいため、成約に至らないケースがほとんどだという。
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