アジア石油製品=9月25~29日:92RONガソリン急落、需給が大幅に緩和
ガソリン 92RONガソリンへの買い気も弱く 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は前週から大きく下落した。市場では弱材料が散見され、相場に下押し圧力が強まっている。このところ、中国石油天然気(ペトロチャイナ)傘下の大連西太平洋石油化工(ウェペック)が10月7~9日大連積みの92RONガソリンMR船型を販売したことが判明した。価格はFOBベースで同市況対比4.00ドルのプレミアム。この成約価格に基づいて、10月下旬に中国積みの92RONガソリンMR船型の成約が可能な水準は、少なくともFOBベースで同市況対比3.00ドル以下のプレミアムになりそうだとの見方が寄せられた。シンガポールの先物市場で10月と11月限の月間価格差は2.40ドルの期先安に推移しており、10月下旬積みに買い気が弱い。そのうえ、中国から輸出増の兆しがある。韓国石油会社は内需不振などにより10月積み品の販売を継続している。
ナフサ 重質ナフサ市況にも弱材料表面化 日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は、日本市況に対しカーゴ到着30日前評価で2.00~3.00ドルのプレミアムで推移している。石化用の軽質ナフサの需要が弱く、相場の基調は弱い。ナフサとオレフィンの格差が損益分岐点を下回っており、採算性が改善していない。石化製品の需要も弱いようだ。 夏のガソリン需要最盛期を過ぎている点も、11月着重質ナフサ市況にとって弱材料となった。これまでは堅調な重質ナフサ市況がナフサ市況全体を支えていた。 弱材料が重なり、ナフサの固定価格も上伸力を失い、指標となるブレント原油対比でナフサ安に転落した。
中間留分 ジェット燃料、軽油いずれも下落 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は総じて下落。10月下旬中国積み品の販売量が増加し、需給が緩和している。期先安も相場の重し。 9月末~10月上旬にかけての大型連休「国慶節」を前に、中国勢の販売が旺盛になっているという。シンガポール先物市場で期先安が形成されており、月の下旬積み品への買い気が減退していることが背景。 韓国積み灯油(SR船型)の市況連動相場は変わらず。主な持ち込み先である日本からの買い気は浮上せず。シンガポール市況が高止まりしている影響で輸入採算が合わず、日本の商社は買いに動けていないとみられる。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は1ドル程度下落した。シンガポール先物市場は期先にかけて急なバックワーデーションを形成。先安観から10月下旬積みは上中旬積みと比較して深いディスカウントで取引されやすい。また、シンガポール先物市場でジェット燃料と軽油の価格差を表す「リグレード」が拡大。採算性の観点から石油会社が軽油の販売に注力すれば、余剰感が強まる可能性もある。 北東アジア積み0.05%S軽油(MR船型)の市況連動相場も軟化した。
重油 韓国積み3.5%S上昇、供給引き締まり受け 韓国積み3.5%S重油(MR船型、380cst)の市況連動相場は上昇した。供給引き締まり感の台頭を受けた。市場関係者によると、韓国積み品の商談水準は、FOBベースで同市況に対し18~19ドルのディスカウントの見方が聞かれた。重油のクラックマージンが長らく低調に推移しているため、特に高硫黄重油の得率を抑える石油会社が多いとの指摘もあった。ただし、アジア域内では引き続き需要が乏しい状況が続いており、スポット市場の取引は盛り上がりを欠いている。 京浜のVLSFO相場は、9月27日に689.50ドルと9月20日時点から13.00ドル上昇した。シンガポール0.5%S重油先物高を受けた。引き合いの対象が10月渡しに移行、ENEOSが月間販売枠のカットを予定していること、指標価格が実際に相場に対して割安で推移していることから、相場の反発への警戒感が高まっている。
|
|