アジア石油製品=11月13~17日:ノンオキシーガソリン市況が上昇、供給引き締まり受け
ガソリン 供給が引き締まり、ノンオキシー品市況が上昇 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は、韓国積み91RONガソリンや日本積み92RONガソリンが上昇した。供給の引き締まりが相場を押し上げた。精製マージンが悪化しているなか、北東アジアの石油会社は生産を減らしており、12月積みのスポット供給に品薄感が広がっている。スポットの取引では今週、韓国の現代オイルバンクが12月16~18日積みとしてノンオキシー品の92RONガソリンMR船型を販売したとの情報が寄せられた。価格はFOBベースで同市況対比2.60ドルのプレミアムと伝えられた。この成約価格に基づいて、韓国積み91RONガソリンの市況はFOBベースで同市況対比1.60ドル近辺のプレミアムで試算されるという。
ナフサ 1月前半着に移行、供給引き締まる 日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は、日本市況に対しカーゴ到着30日前評価で2.50~3.50ドルのプレミアムで推移している。商談時期が1月前半着品に移行。日本の三菱ケミカル旭化成エチレン(AMEC)は16日、1月前半着オープンスペック2万5,000トンをCFRベースで同市況比2.00~3.00ドルのプレミアムで調達した。市場関係者は「12月後半着と比べて1月前半着は供給が引き締まっている」と指摘した。韓国で12月は年度末による在庫整理が進められたことから、1月は反動で買いが入ると見込むプレーヤーが多い。また、年明け以降に中東の製油所で定期修理が予定されており、中東積み品が減少する見通しだ。
中間留分 ジェットは上昇も10ppm軽油は強さ欠く 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は上昇した。アジアから欧州、米国西海岸向けのアービトラージは開いており、域外向けの買い気が強まっている状況だ。市場関係者は韓国積みの12月中旬積みの商談可能な水準はFOBベースでシンガポール市況比70セント程度のプレミアムまで上昇していると指摘した。 台湾の台湾中油(CPC)は12月の購入を見送る。同社は大林製油所(日量35万バレル)で常圧蒸留装置(日量15万バレル)の定期修理を実施中だ。ただ、11月末までに計画通り定修が終わる見通しのため、ショートカバーの必要がないという。 韓国積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は強さを欠く展開。供給量増加による需給緩和を反映した。市場関係者によると、韓国石油会社は冬季スペックの軽油の生産に注力していた。また、中国石油会社は採算性を考慮し、ガソリンの輸出量を減らし、軽油の輸出量を増やす見通しだ。また、欧州での需要不振を背景に、中東やインドから玉がシンガポール方面へ流れている。一方、豪州で製油所不調が解消され、ショートカバー目的の調達は聞かれなくなっている。
重油 元売り1社が小ロットのHSFO販売 日本積み3.5%S重油(MR船型、380cst)の市況連動相場はもち合った。市場関係者によると、日本の元売り1社が、12月上旬に四日市積みとなる小ロットの380cst(3.5%S)重油を販売したもようだ。このカーゴは韓国向けとみられている。また、既報のとおり、元売り1社が12月中旬積み4万トンの380cst重油の販売に動いているとの情報も伝えられている。 京浜のVLSFO相場は、11月15日に689.50ドルと11月8日時点から13.00ドル上昇した。シンガポール0.5%S重油先物高を受けた。需要の弱さを背景に、一部の売り手が唱えの水準を切り下げて販促を行っている。ただ、月半ばに差し掛かり、邦船社向けの長期契約が順調に積みあがっていることから、スポット市場での販売に消極的な売り手も多く、相場は下支えされている。
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