アジア石油製品=11月27日~12月1日:ナフサ市況上伸、天候不順でロシア品減
ガソリン 先物市況の期先安で買い気が減退 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は下落した。先物市況の期先安が拡大しているため、月間価格差のリスクを意識し、トレーダーなどは12月下旬積みの買いを抑えている。シンガポールの先物市場で12月と来年1月の月間価格差は1.00ドル近辺の期先安に推移している。そのなか、中国海洋石油(CNOOC)は12月下旬に華南積みとして92RONガソリンMR船型を販売した。価格はFOBベースで同市況対比1.70ドルのプレミアムと伝えられた。 韓国の石油会社からの12月積みの販売は一巡したようだ。ただ、年末に予定している油類税の還元が再び延期されれば、駆け込み需要を備えていた在庫を輸出に振り向ける可能性がある。
ナフサ ロシア、中東からの供給減が強材料 日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は、日本市況に対しカーゴ到着30日前評価で9.00~10.00ドルのプレミアムとなっている。供給タイト感が強まり、相場は堅調。アジアへ流入するロシア品の数量が減少していると指摘されている。黒海で発生している濃霧が解消されないようで、玉を輸送できなくなっているようだ。中東積み品数量も減少。新規の弱材料は特段聞かれず、ロシア品が市場に戻らない間は、足元の相場が継続しそうだ。 需要面では、日本や韓国勢が2024年のターム契約数量を減らしてスポット調達でナフサ在庫を調整する傾向にあると伝えられている。
中間留分 軟調、域外需要が減退 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は小幅安となった。買い気がひと段落。米国では製油所の定期修理が一巡しつつある。また、製油所不調も徐々に解消されており、米石油会社がショートカバーとしてアジア積み品を購入する必要性が低下している。日本向けの買い気も落ち着いており、需給逼迫感がやや後退した。 スウェーデンのエネルギー大手プリーム社が、リュキセル製油所の軽油生産設備を、持続可能な航空燃料(SAF)など再生可能エネルギーの生産設備に改修する工事に着工すると発表した。同社の発表によると、2024年に着工し、27年の生産開始を目指す。完成後の年間生産能力は60万立方メートルのSAFを含み再生可能エネルギーが120万立方メートル。一方、従来型の石油製品の生産を減らすことで年間20万トンの二酸化炭素排出を削減するという。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は軟調。域外で需要が乏しい。欧州の製油所は現在、軽油の得率を低下させているものの、市場関係者は「生産調整の効果が出るのは早くても1月後半だろう」とし、荷余り感は続くとの見方を示した。豪州ではジーロン製油所の稼働率が上昇しており、ショートカバー目的の買いがみられなくなったという。
重油 韓国石油会社に0.5%S販売の動き 韓国積み0.5%S重油の市況連動相場はもち合った。引き続き韓国石油会社が販売に動いているとみられるうえ、域外からもちこまれるアービトラージ品も数量が増えそうだ。一方、韓国石油1社が、11月積みで7,000トンの0.5%S重油を販売していたもようだ。価格はFOBベースで同市況に対し小幅ディスカウントと伝えられる。 韓国地域暖房公社(KDHC)は入札を通じて、12月8~17日着で2万7,000トンの0.3%S重油を買い付けていた。価格はCFRベースでシンガポール市況(0.5%S)に対し70~80ドルのプレミアムという。売り手はビトール。一般的なMR品よりやや数量が少ないうえ、スペックも異なることから割高での成約になったもようだ。
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