アジア石油製品=12月4~8日:ガソリン・中間品、販売開始は週明けに
ガソリン 91RON(SR船型)市況下落、需要不振で 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は変わらず。スポットの取引は引き続き閑散とした。大方の北東アジアの石油会社は来年1月の輸出計画を決めていないことから、スポットの商談は聞かれにくい。アジア域内では2024年のターム交渉が中心となっている。韓国では、SKエナジーやGSカルテックスなどがターム販売を進めている。GSカルテックスは、豪州向けの91RONガソリンやフィリピン向けの92RONガソリンの商談を進めているもよう。 韓国積み91RONガソリン(SR船型)の市況連動相場は、シンガポール市況(92RON)に対し2.40~2.50ドルのプレミアムと同55セント下落した。冬場の不需要期に差し掛かり、主要な仕向け先である日本から買い気が乏しい。日本では韓国品の輸入採算が合うものの、国内の需要が振るわず、商社などは輸入意向が薄い。既報のとおり、ENEOSが東日本で操業する複数の製油所で残渣油流動接触分解装置のトラブルが発生しているが、同社による市中調達も確認されていない。
ナフサ 相場は底堅く推移、供給量なく 日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は、日本市況に対しカーゴ到着30日前評価で14.50~15.50ドルのプレミアム、45日前評価で9.00~10.00ドルのプレミアムとなっている。中東やロシアからの供給力が落ちており、スポット市場で玉が少なかった。「売り手は無理をして安値で販売する必要はない」(市場関係者)とみられる。また、23年の決算期を見据えた在庫調整を経て、1月着品への買いが増えると指摘された。足元ではナフサクラッカーのトラブルも聞かれず、需要が戻りつつあるとみる向きもある。 一方で、堅調なナフサ市況を受け、石化品の精製マージン縮小を懸念する声も聞かれた。
中間留分 10ppm軽油小幅高、前半積みに買い気 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場はもち合った。しかし、需給の引き締まり感は続いている。ショートポジションの買い手からは「早めに玉を確保したい」との声が聞かれるが、韓国石油会社は販売に動き出しておらず、様子見の姿勢を保っている。また、米国向けとして買い気を有しているプレーヤーも確認された。北東アジア市況が堅調とあり、米西海岸向けアービトラージが開いているようだ。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場はシンガポール市況(0.001%S)に対して小幅に上昇した。シンガポール先物市場が期先にかけて50セント程度のバックワーデーションを形跡。北東アジアの他石油会社による販売が少ないなか、需要家が限月間格差を嫌気して1月前半積みに買いを入れており、相場底上げにつながった。 韓国勢による1月積みの販売入札開示は翌週となる見通しだ。1月中は大型定期修理を計画している石油会社もなく、「販売量は例月並み」(市場関係者)と指摘された。
重油 コスモ石油の販売、週後半に一段落 日本積み3.5%S重油(MR船型、380cst)の市況連動相場は前週から切り上がった。シンガポール積み3.5%S重油の市況高に連動した。日本では先週から今週半ばにかけて、コスモ石油が12~1月積みで高硫黄重油の販売に動いた。製油所の二次装置不調が背景とみられる。ただ、週後半には販売が一段落。スポット市場は再び落ち着きをみせた。 京浜のVLSFO相場は、12月6日に631.50ドルと11月29日時点から10.00ドル下落した。シンガポール0.5%S重油先物安を受けた。
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