アジア石油製品=1月8~12日:ジェット燃料上昇、旧正月見据え需要堅調
ガソリン 2月積みの供給に潤沢感 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は同水準で推移した。ただし、供給に潤沢感が広がり、相場は上伸力を欠いている。冬場の不需要期に差し掛かり、韓国では内需が振るわず、石油会社が輸出を増やしている。1月に引き続き2月積みでも韓国の輸出量はMR船型で30~35カーゴに達するとの指摘が同国の石油会社から聞かれる。また、日本の元売りも製油所の稼働が順調なことから、輸出余力が生じている。出光興産およびENEOSともMR船型1~2カーゴの売り物を抱えているという。そのなか、米国品もアジアへ販売されているとの情報が聞かれる。米国でも需要が振るわず、週間在庫統計は2週連続で在庫が大幅に増加している。
ナフサ 採算不振で韓国クラッカー稼働低下の可能性 日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は、日本市況に対しカーゴ到着30日前評価で22.00~23.00ドルのプレミアム、カーゴ到着45日前評価で14.50~15.50ドルのプレミアムとなり、横ばい。ナフサクラッカーの稼働率が引き下がる可能性が浮上しているほか、供給の過度な引き締まり感が和らいでいると指摘された。 市場関係者によると、石化品の精製マージン縮小を受け、韓国でナフサクラッカーの稼働率が低下する可能性が浮上している。ナフサとオレフィンの価格差は10日時点で、ナフサとエチレンが200~220ドルのエチレン高、ナフサとプロピレンが170~180ドルのプロピレン高となっている。誘導品の需要が改善しておらず、オレフィン相場が上昇する兆しはみられず。足元で、韓国の1月のクラッカー稼働は75%程度とみられる。 供給面では、2月後半から3月着にかけて、地中海出しナフサの供給が戻りつつあるとの情報も聞かれ、期近カーゴの過度な供給不安が落ち着き始めているようだ。
中間留分 SKエナジー、2月上旬積み品を+1.75で販売 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は上昇した。旧正月の連休に向けた航空需要増加を意識し、相場は堅調となっている。このなかで韓国では2月積みの販売が本格化。SKエナジーが販売入札を通して2月3~5日積みMR船型1カーゴをシンガポール市況対比1.75ドルのプレミアムで販売した。買い手は豪州向けに充てたもよう。韓国積みを有する他のプレーヤーからも2月上旬積みの成約可能な価格について、同市況対比1.60~1.70ドル程度のプレミアムとの声が寄せられた。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は週前半に大きく上昇した。ただし、一部の国ではその後に下落。値動きが激しかった。中国の1月の輸出量は80万トン~100万トンと見込まれている。当初は80万トン程度と目されていたが、内需不振を背景に輸出量が増加するとの見方が強まり、一部地域の相場を下押しした。
重油 KDHCが0.3%S調達 韓国積み0.5%S重油の市況連動相場は、シンガポール市況(0.5%S)に対し35.00~45.00ドルのディスカウントともち合った。韓国地域暖房公社(KDHC)は、入札を通じて1月下旬着2万7,000トンの0.3%S重油を調達した。価格はシンガポール市況(0.5%S)に対し56ドル強のプレミアムという。落札者は現代コーポレーションで、マレーシア玉を充てるとみられる。KDHCは自社の発電設備の燃料を重油から液化天然ガス(LNG)に切り替えており、今後、重油の調達量を減らし、国内で買い付ける方針という。 京浜のVLSFO相場は、1月10日に656.50ドルと12月20日時点から27.00ドル大幅に下落した。シンガポール0.5%S重油先物安を受けた。引き合いの対象が1月渡しに移行、当初は積極的に販促を仕掛ける動きがみられたが、供給の逼迫感が高まるにつれ売り圧力が後退している。ENEOSは根岸、水島出荷分の月間販売枠の削減を各商社に通知、艀繰り、出荷基地の混雑と相まって売り手の多くはスポット市場での対応に消極的だ。
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