アジア石油製品=2月5~9日:0.001%S軽油、3月積みは底堅くスタート
ガソリン 製油所の定修で、東南アジアから需要増 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場はもち合った、製油所の定期修理やトラブルなどを背景に、東南アジアから需要が増えている。マレーシアの石油プロジェクト「RAPID」の製油所(日量30万バレル)は1月にトラブルが発生した後にそのまま定修に入り、3月まで続くようだ。インドネシアでも2月に製油所の定修が予定されている。そのなか、このところ東南アジアの需要家はシンガポールでの調達を増やしているという。 一方、供給側である北東アジアでは3月積みの売りが見られない。フレートが高止まりしているため、FOBベースの相場に下押し圧力が強まっていることから、石油会社は様子見に徹している。
ナフサ プレミアム縮小、需要減の観測受け 日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は、日本市況に対しカーゴ到着30日前評価で18.50~19.50ドルのプレミアム、カーゴ到着45日前評価で9.00~10.00ドルのプレミアムで推移している。ナフサ需要減退の観測が広がっており、プレミアムは縮小傾向。韓国の石化メーカーが採算性を考慮しナフサクラッカーの稼働を引き下げるとの情報があるようだ。実際、石化1社は2月、クラッカー1基の稼働率を1月比5%ほど引き下げている。市場関係者は「定期修理とは異なり突発的な弱材料となるため、市況を下押しする可能性がある」との見方を示した。 日本の石化メーカーのクラッカー稼働率は足元で「最低水準を維持しており、一段の下げは考えにくい」(日本の市場関係者)ものの、オレフィン全体の採算性が悪く、稼働率の引き上げには慎重な姿勢が見られる。
中間留分 軽油はシンガポール方面への玉少なく、ジェットは目立った動きなし 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は変化なし。韓国石油会社による3月積みの販売は見られず。フレート高が継続していることから、引き続き売り手はFOBベースの販売に躊躇している。買い手がシンガポール市況対比で大幅なディスカウントを要求するためだ。SKエナジーやGSカルテックスなどは3月積みの販売を予定しているが、「販売の本格化は連休明け以降になる」(市場関係者)との指摘が出ている。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は上昇した。堅調な欧州市況の影響を受けた。台湾のフォルモサ石油化学(FPCC)は先週末、入札を通じて3月1~5日積みとして0.001%S軽油(MR船型)をFOBベースで同市況に対し1.20ドル程度のディスカウントで販売した。市場関係者によると、欧州市況高を受け、中東やインド積み品が欧州へ流れている。この影響でシンガポール方面の玉が減少しており、北東アジア品への引き合いが強まっている。ENEOSが5カーゴ以上、コスモ石油が1カーゴ販売する見込み。ENEOSはすでに1カーゴ販売したようだ。 北東アジア積み0.05%S軽油(MR船型)の市況連動相場は小幅上伸。製油所の定期修理や不調を背景に、東南アジアからの需要が続いている。
重油 2月積みアルズール製油所出し0.5%S重油が成約 韓国積み0.5%S重油の市況連動相場は同水準で推移した。韓国積み品の商談は聞かれなかった。一方、クウェート石油(KPC)が先週、2月13~14日にアルズール製油所(日量61万5,000バレル)積みとなる13万トンの0.5%S重油を販売した。価格はFOBベースでシンガポール市況(0.5%S)に対し9ドルのディスカウントという。買い手はフィリップス66。既報のとおり、KPCは1月末にも、2月8~9日積みで13万トンを販売していた。アルズール製油所出しの輸出が増えており、「今後、低硫黄重油の供給が一段と潤沢になる」(市場関係者)との声が聞かれた。
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