アジア石油製品=3月4~8日:4月韓国積み10ppm軽油、1ドル以下のディスカウントでスタート
ガソリン インドネシア、高在庫で3月輸入減の見通し 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は週間を通じて横ばいで推移した。ただ、市場では弱材料が続き、相場は上値が重い。フレートは引き続き高止まり、下落の兆しが見られない。そのうえ、インドネシアを中心とした東南アジアの需要が減退する見通しから、シンガポール市況も急落している。アジアの最大輸入国であるインドネシアでは、製油所の定修を控え、同国国営プルタミナが1~2月に輸入を増やしていた。しかし、予想より国内の需要が増えず、在庫が積み上がっているようだ。このため、同国による3月の輸入量が減少する公算が大きい。ただ、同国のバリクパパン製油所(日量26万バレル)は2月から定修に入り、そのまま5月までに製油所のアップグレードも予定していることから、4月の輸入量は例月並みの1,100万バレル程度を計画している。
ナフサ LPGから回帰の観測 日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は、日本市況に対しカーゴ到着30日前評価で15.00~16.00ドルのプレミアム推移しており、相場は底堅い。生産品の得率の観点から、石化原料としてナフサへの需要が回復しそうだ。アロマ市況がオレフィン市況と比べて高く、LPGよりもナフサを使用する方が生産全体の採算性が高まる。欧トレーダー1社は「値段はナフサの方が高くても、作られる製品のバランスを考えるとナフサを買う」と述べた。なお、中国のPDH(プロパン脱水素装置)の稼働率は平均66%前後。
中間留分 軽油、中東やインド品流入で供給過多 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は上昇した。中国勢などによる3月積み品を対象とした消化目的の売り込みがようやく一巡した。また、先物市場が期先にかけてバックワーデーションを形成しており、需要家が限月間格差を嫌気して4月前半積みに買い気を示したことも上げの材料となった。 4月韓国積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は、1.00ドル以下のディスカウントで始まった。4月1~5日オンサン積みMR船型はFOBベースでシンガポール市況(0.001%S)に対し、1.80ドルのディスカウントだった。供給が需要を上回っており、相場は抑えられている。中東やインド積み品がシンガポールへ運ばれ、在庫が急速に増加。この影響で北東アジア積み品への引き合いが弱まっている。MR船型のフレート高も引き続き重しとして働いた。
重油 発電用LSFOの市況軟化 日本着0.3%S重油の市況連動相場は弱含んだ。需要低迷を受けた。具体的なスポット商談は浮上していないものの、日本国内で電力会社の買い付け意欲が著しく後退しているなかで、「商談水準は、CFRベースで同市況に対し1桁台前半のプレミアム」(市場関係者)との声が聞かれた。台湾では、台湾中油(CPC)が6日、4月着MR船型の0.3%S重油の買い付け入札を締め切った。応札の締め切りは8日。価格によって調達する数量を決定するという。 一方、市場関係者によると、クウェート石油(KPC)は依然として3月積み0.5%S重油の販売に動いていないようだ。年明け以降、同社が積極的に低硫黄重油を販売していることで、アジア域内で余剰感が強まっている。
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